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アルシオン通信

Alcyon Blog

2025年10月 の投稿
2025年10月31日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年60本目】映画「秒速5センチメートル」(実写版)観ました。

【解説・あらすじ】

1991年春。
遠野貴樹(上田悠斗)と篠原明里(白山乃愛)は東京の小学校で出会い、心の距離を近づけていくが、明里が引っ越してしまう。
文通を続ける二人は、中学1年の冬に栃木・岩舟で再会し、2009年3月26日に同じ場所で会う約束をする。
2008年、東京で働く貴樹(松村北斗)は孤独な日々を送っていた。
一方の明里もかつての思い出を胸に静かに暮らしていた。

新海誠監督のアニメを、松村北斗主演で実写化したヒューマンドラマ。
小学校を卒業後に離ればなれになった少年と少女が、中学1年の冬に再会し、18年後に同じ場所で会う約束を交わす。
主人公に思いを寄せる女性を森七菜が演じ、青木柚や木竜麻生、宮崎あおい、吉岡秀隆などが出演。
監督を奥山由之が務める。

【感想】
アニメを見た方も、そうじゃない方も。
これぞ完全版「秒速5センチメートル」!

まずストーリー。
なんせあの「秒速」です。
すでに伝説的なアニメーションが原作なんです。
あの濃密さをどこまで「落とさずに」実写化できるのか、、、。
心配しかない、不安しかないのが正直な所だったのですが、これは全くの杞憂。
台詞の一つ一つの粒立ち、精密さ。
原作のおおよそ倍の尺を見事に乗り越えるストーリーテリング。
あえて時系列まで改変し、繊細な琴線を紡いでいく構成。
きっと大きすぎるプレッシャーの中での脚本作成。
見事な挑戦は素晴らしい結果をもたらしていると感じました。

そして演出、演技。

まずなんと言っても子役ふたり!
いったいどこから見つけてきたのか!!
「純粋」というコトバを人の形に写し撮ればこのふたりになる。
台詞が、仕草が、視線が、すべてが愛おしい。
まずこれだけでも必見。

さらに
青春期を演じた青木柚さんの孤独な佇まい、
ほんの一秒のシーンで恋の切なさ、そのすべてを演じきって見せた森七菜さん。
全力以上で抑えた演技を乗り越えて見せたふたりには素直に尊敬の念を覚えました。

もちろん全編の主役、松村北斗さん、高畑充希さんも素晴らしい。
幼少期、青年期を引き継ぎながらの抑えた演技は相当な難易度。
役を引き受ける恐怖、を見事に乗り越え、アニメーションの模倣にならない確かな存在感。
「リスペクト」を見事に昇華した、素晴らしいチャレンジ。
松村北斗さんの静かな情熱に何やら嫉妬のようなものすらかんじました。

演出にも触れます。
作画の美しさはこの映画を撮るならば必須。
しかも街も自然も、昔も今もを撮りきるのは至難の技。
これもまたよくぞ挑戦し、乗り越えてみせる。
オマージュにとどまらない、その先の表現にたどり着いてみせる。
伝説的劇伴、「one more time,one more chance」のあの使い方も含め、
これが「秒速」なんだと魅せてくれた確かな説得力。
アニメ版を忘れる瞬間、確かにありました。

さて。
思い出、さらには初恋を取り扱うのはとても難しく。
初期衝動とでも言えば良いのか、
初めてづくしのキラキラした日々と純粋な思い。

忘れるのが正解なのか、
適切な卒業方法があるのか、
いや、心の中にいつまでもしまっておくべきなのか。

現実の生活の中で

無理目に昔話を避け、
遠くを見つめることから逃げ、
オプビートな日々を良しとしてしまう。

何か違うと感じる自分が映画を見終わった中に確かにいたように思います。

秒速5センチメートル。
桜の花びらが落ちる速度。

センチメンタルの一言では収まらないコトバ。

大切にしたいと思いました。

【評価・つけるとすれば】
4.4です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2025年10月28日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年59本目】映画「JAZZ NOT ONLY JAZZ」観ました。

【解説・あらすじ】

椎名林檎、米津玄師、星野源などのライブやレコーディングに参加してきた、ドラマーで作曲家の石若駿。
2024年6月開催のライブイベント「JAZZ NOT ONLY JAZZ」のために、
石若はギタリストの西田修大やベーシストのマーティ・ホロベックらとバンド「The Shun Ishiwaka Septet」を結成する。
公演当日のステージでは上原ひろみ、大橋トリオ、田島貴男、堀込泰行といったゲストも加わり、
ジャズを軸にしながらも、ソウル、ヒップホップ、ポップスなどのジャンルを横断したサウンドを演奏する。

ドラマーの石若駿が、ギタリストの西田修大やベーシストのマーティ・ホロベックらと結成したバンド「The Shun Ishiwaka Septet」のライブフィルム。
2024年6月に開催されたライブイベント「JAZZ NOT ONLY JAZZ」でのステージの模様が映し出される。
ゲストとして、アイナ・ジ・エンド、上原ひろみ、大橋トリオ、田島貴男、PUNPEE、堀込泰行らが出演する。

【感想】
JAZZの、いや音楽の力をまざまざと見せつける必見必聴の140分!

まず構成&演出。
ライブフィルムなのが前提で、実際のライブには遠く及ばない、、、というのは僕の偏見。
逆に映像ならではの多様な視点切り替えが効いていたし、
肝心の音もドルビーアトモス劇場の良さ、音の粒感がしっかり伝わるチューニング。
力強さ全開でまさに圧倒されました。

そして実際の演奏。
これもまた素晴らしかった!
素晴らしい座組、完璧のさらに先を目指す演奏。
頂点が見えてこない、ぐんぐん上昇する様はこれまた圧巻でした。

さて。
これほどのことをやってのけるには情熱はもちろん必要。
必要なんだけどきっとそれだけでは全然足りず、
共有するための「コトバ」が必要だったのではとかんじます。
今風に言えばチームビルディング的なことなんでしょうが、
彼らには共有できるコトバたち、つまりは「音楽」があった。
果たして僕には、、、と考えずにはいられませんでした。

最後にセットリスト。

1.Love Supreme/The Shun Ishiwaka Septet
2.エイリアンズ/堀込泰行
3.New Day/堀込泰行
4.Sunday in the park/堀込泰行
5.bless You! /田島貴男(Original Love)
6.グッディガール/田島貴男(Original Love)feat. PUNPEE
7.Renaissance/PUNPEE
8.Naima/The Shun Ishiwaka Septet
9.スイカ/アイナ・ジ・エンド
10.私の真心/アイナ・ジ・エンド
11.鳥のように/大橋トリオ
12.マチルダ/大橋トリオ
13.EMERALD/大橋トリオ
14.XYZ/上原ひろみ
15.Return of Kung-Fu World Champion/上原ひろみ
16.Interlude JNOJ/The Shun Ishiwaka Septet
17.接吻/All Line Up

どうやら2回目のライブもある模様。今度は生で体験してみたいと思いました。

【評価・つけるとすれば】
4.1 です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2025年10月22日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年58本目】映画「テレビの中に入りたい」観ました。

【解説・あらすじ】

1990年代のアメリカ。
郊外の町に暮らすティーンエイジャーのオーウェン(ジャスティス・スミス)とマディ(ジャック・ヘヴン)は、
毎週土曜日22時半に放送されるテレビ番組「ピンク・オペーク」に夢中になっていた。
番組が生きづらい現実世界を忘れさせてくれる唯一の居場所だと感じる彼らは、
番組の登場人物と自分たちを重ねるようになっていくが、マディはどこかへ去ってしまう。
一人残されたオーウェンは、次第に自分が何者であるのか判然としなくなる。

第74回ベルリン国際映画祭パノラマ部門で上映されたスリラー。
テレビの深夜番組に夢中になる若者たちが、番組のキャラクターと自身を重ねるうちにアイデンティティーを見失っていく。
メガホンを取るのはジェーン・ショーンブラン。
ジャスティス・スミス、ジャック・ヘヴン、ヘレナ・ハワードのほか、リンジー・ジョーダンらが出演する。

【感想】
ティーンネイジャーの焦燥をシュールに描いた怪作。

まずストーリー。
青春時特有の「心の置き所のなさ」、鬱屈といった部分は前半よく表現できていて、
物語の進行にも加速感があったと思います。
一方後半、体が成長してから、年齢上の大人になってからは急激にシュールさを増し、
ちょっと物語が行方不明。。。
重要テーマであったであろう「クィア」は台詞的にもとてもわかりにくく。
脚本の焦点の当て方に無理を感じました。

次に演出。
表現手法はよく言えば独特で演劇的。
悪く言えば奇っ怪で意味不明です。。
若者の葛藤を独特の映像センスで撮りきる、
という強い意志は感じますが前半後半でリズムが変わってしまい、
僕には正直刺さりませんでした。

さて。
青春の葛藤、蹉跌はやはり僕も経験積みで、
内向的にすごし、いつかどこかでブレイクスルーが訪れることを待つばかりの日々だったことは覚えています。
スポーツや読書、演劇に勉強、、あるいは何もしない日々を濃淡はあれど皆一様に経験し、
そして大人になるものだと思っていたのですが、、。
振り返ってみれば今なお「なりきれてない」部分はこんなにもあるし、根っこの部分は変わってないし、、。

そんなことを感じさせてはくれる作品でしたが、総論としてはやはり奇っ怪な作風。
刺さる人もいるとは思うのですが、かなり人を選ぶ作品であったと思います。

【評価・つけるとすれば】
3.4です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2025年10月21日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年56本目】映画「ひゃくえむ。」観ました。

【解説・あらすじ】

生まれつき足が早く、友人にも恵まれているトガシ。
ある日、彼が通う学校に小宮という孤独な少年が転入してくる。
がむしゃらに走っては、つらい環境にいることを少しでも忘れようとする小宮に、トガシは早く走る方法を教える。
放課後に練習を重ねるうちに、二人は100メートル走で頭角を表すようになり、ライバルにして親友という間柄になる。
やがてトガシは天才ランナーとして名をはせるようになるが、プレッシャーに苦しむ。

陸上競技を題材にした魚豊のコミックを原作にしたアニメーション。
生まれつき俊足のトガシと、彼と出会ったことをきっかけに100メートル走に情熱を注ぎ始めた小宮の友情と絆を描く。
監督は岩井澤健治。
松坂桃李、染谷将太らがボイスキャストを務める。

【感想】
人生すべてを10秒で駆け抜けてゆく、スポーツ映画の新しき金字塔!

まずストーリー、脚本。

本筋は王道中の王道、なのでトリッキーなことは何も起こらない、良い意味で飲み込みやすいストーリーテリングです。
そんなことよりも特筆すべきは台詞一つ一つが哲学性を帯びている点。
100メートル走のスタートの踏み込みの強さ、
加速してゆく中間走、
抜けてゆくフィニッシュまで、、
を言葉に紡ぐとこのようになるのだなと脚本の構成、ワードチョイスに唸りました。

そして演出演技。

基本「コトバ」の映画のはずなんですが、もちろん作画、演出も秀逸。
主要人物が思いのほか多く、小学校から社会人までの10数年を描いているのにもかかわらず、
人物の相関関係に混乱することなく鑑賞できるのは難易度が高い、よくぞやりきったと感じました。
10秒の世界を2時間で語るのも難しいチャレンジだと思うのですがメリハリの付け方がしっかり目の味付けでこれも見事にクリア。
監督の技に恐ろしささえ感じました。

また声優陣の演技も素晴らしい。
基本的にトーンを抑えた低い音域で台詞設定。
その条件下で感情の濃淡、激しい熱も水のような冷静さもを感じさせる。
かなり難易度が高いはずなのに松坂桃李さん、染谷将太さんをはじめとしたボイスキャスト陣がクリアしていくのは圧巻。
作画が必見ならばこれもまた必聴です。

さて。
生きていくならば、何かに挑まなければいけなくなることは必然。
避けられない運命の中で、

正解を探し、
悩み苦しみ、
努力をし、
時に挫折し、
時に小さな成功を掴む。

この繰り返しの中いつかそれぞれのゴールに知らぬ間に至るのでしょうが、
このサイクルが最も短いのが「ひゃくえむ。」なのでしょう。

この過酷さを前に、
自分自身何に挑み、
何を掴み、
何を棄て、
何を得た、、のか。

振り返る素晴らしいきっかけになりました。
まだ諦めてはいけない、
いつだってスタートを切るのは自分の意志だと痛感させてくれる映画体験でした!!

【評価・つけるとすれば】
4.5です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2025年10月19日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年54本目】映画「宝島」観ました。

【解説・あらすじ】

戦後の沖縄を舞台に時代に抗う若者たちの姿を描き、第160回直木賞を受賞した真藤順丈の小説「宝島」を映画化。
妻夫木聡が主演を務め、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら豪華キャストが共演。
大友啓史監督がメガホンをとった。

1952年、米軍統治下の沖縄。
米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民らに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。
そんな戦果アギヤーとして、いつか「でっかい戦果」をあげることを夢見るグスク、ヤマコ、レイの幼なじみの若者3人と、
彼らにとって英雄的存在であるリーダー格のオン。
しかしある夜の襲撃で“予定外の戦果”を手に入れたオンは、そのまま消息を絶ってしまう。
残された3人はオンの影を追いながら生き、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、それぞれの道を歩んでいくが、
アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境で、思い通りにならない現実にやり場のない怒りを募らせていく。
そして、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す。

親友であるオンの痕跡を追う主人公グスクを妻夫木聡が演じ、
恋人だったオンの帰りを信じて待ち続けるヤマコ役を広瀬すず、
オンの弟であり消えた兄の影を追い求めてヤクザになるレイ役を窪田正孝が担当。
そんな彼らの英雄的存在であるオン役を永山瑛太が務めた。

【感想】
これは本当に過去の話なのか。。「今という名の戦後」を問いただす意欲作。

まずストーリー。
原作は既読でしたのでストーリー、全容は把握の状態で鑑賞しました。
熱量の多い、実際ボリュームもかなりある内容でしたので映画化はされないと思っていましたので、
この脚本を完成させただけでも十分な価値。
そのうえで、原作でののわかりにくい部分、例えば沖縄言葉のニュアンスとかを物語に溶け込ませ、
理解しやすくなるよう配慮されています。
ただそれでも、重要なシーンやキャストの行動に必要な動機づけが省略?されており、
粗を感じるのも正直な所でした。

次に演出演技。
なんといっても俳優陣の熱演に心揺さぶるものがあります。
妻夫木さんを始め、ひとりひとりが丁寧かつ情熱を持って沖縄の戦後を演じきる。
歴史へ挑む覚悟を十分に感じることができます。
とりわけ窪田さんの演技は白眉。
必見だったと思います。
一方、演出面はこれまた観客に委ねることの多さ、メリハリの付け方、等々気になることが多く。
もっと突っ込んだ演出もできたでしょうし、もっと引き算もできたでしょうし。。
3時間の尺がもっと長く感じるのは否めなかったです。

さて。
沖縄の過去と今はやはり途切れなく続いていて、
それでいてあまり知られず、
他者がいいように評価をし、
起こる分断すら知らないふりをしているのが現状でしょう。

「知らないことは罪」
この言葉が鑑賞中、何度も何度も何度も心の中で渦巻いていました。

今、もし「平和」であるならば。
今、もし「戦後」であるならば。

よく考えたいと感じる時間。
貴重な体験だったと思います。

【評価・つけるとすれば】
3.7です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2025年10月17日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年53本目】映画「8番出口」観ました。

【解説・あらすじ】

どこにでもありそうな地下鉄の駅に、ある男性(二宮和也)が閉じ込められる。
そこは地下通路が無限にループする世界で、そこでは異変を見逃すことなく、
万が一異変を見つけた場合はすぐに引き返すのがルールだった。
もし異変が見つからなかったときは引き返さずに、
最終的に8番出口を見つけてそこから外に出なければならない。

ゲームクリエイターの KOTAKE CREATE が制作した、異変探しゲームを原作にしたドラマ。
無限にループする地下通路で、そこに迷い込んだある男性が8番出口を目指す。
川村元気が監督を手掛けている。
二宮和也、河内大和らがキャストに名を連ねる。

【感想】
こだわり抜いた「音」を「見逃すな」!
名曲ボレロを現代に再構築したワンシチュエーションドラマ!

まずストーリー。
原作のゲームは未履修なんですが、
おそらくはその雰囲気だったり、ルールだったりはしっかり取り込めている様子。
無限ループ系なのでどのあたりをゴールにするのかも難しいさじ加減だと思うのですが、ここも丁度良い塩梅。
同時に展開する本筋の「ストーリー」もしっかり地下鉄通路内に封印。
バランスの計算が絶妙な脚本だと感じました。

そして演出、演技。
まずなんといってもその音の演出は出色。
不穏な音の繰り返しで通路の閉塞感を演出し、
ボレロの調べが物語を加速してゆく。

ラヴェリのボレロは数多の作品で扱われてきたと思いますが、
現代版としての一つの指標になる処方だったと思います。

そして俳優陣。
二宮和也さんの複雑な幾重にも織りなし、それでも前に進む演技。
川内大和さんの怪演、そして絶望。
子役さんが導く希望。

どれも見応えあり、です。

ただ、
やはり同じようなシーンが続く閉塞感が強い演出ですので、
飽きる人は飽きるだろうし、
細かなギミックを追い切るのも結構難易度が高いな、、とも感じました。

さて。
希望と絶望は生きていればどちらも目の当たりにし、体験し、喜び苦しむもの。
そんなことはわかっているんのですがいつの間にかどちらもしんどくなり、
いつのまにか諦観、諦めでごまかす日々。

ちょっと反省の気持ちがこみ上げてきた不思議な映画体験。
ボレロの最後、破綻の音符は希望であってほしいと思わずにはいられない貴重な映画体験でした。

【評価・つけるとすれば】
4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2025年10月05日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年50本目】映画「アイム・スティル・ヒア」観ました。

【解説・あらすじ】

1970年代、軍事政権下のブラジル。
元国会議員のルーベンス・パイヴァと妻のエウニセ(フェルナンダ・トーレス)は、5人の子供たちと共にリオデジャネイロで暮らしていた。
しかしスイス大使誘拐事件の発生をきっかけに全てが一変。
ルーベンスが突然軍に逮捕・連行され、エウニセはその行方を追うが、彼女もまた軍に拘束されて尋問を受ける。

軍事政権下のブラジルで、元国会議員が軍によって誘拐された実際の事件を基に描くヒューマンドラマ。
誘拐された人物の息子であり作家のマルセロ・ルーベンス・パイヴァによる書籍を原作に、必死に夫の行方を捜す妻の姿を映し出す。
監督を手掛けるのはウォルター・サレス。
フェルナンダ・トーレス、セルトン・メロのほか、フェルナンダ・モンテネグロらが出演している。

【感想】
これは本当に過去の出来事なのか?
歴史が現在を穿つ社会派ヒューマンドラマ!

まずストーリー。
前半の屈託のない笑顔溢れるリオの情景。
暗黒の軍事政権下の情勢。
そして近代化の道筋への過程。
その歴史のうねりの中に巻き込まれていく家族の描写がとても丁寧。
必ず、表に出していく、闇に葬らせない強い覚悟を感じる脚本です。

次に演出演技。
これも実に骨太。
淡々としている(しすぎている、、?)なかで、きっちり軍事政権の暗部を真っ向から撮りきっています。
抗う姿の描写もブラジルの現実だったり国民性を余すところなく表現。
美しい風景と暗闇の軍事施設、明暗のメリハリもメタが効いていてより一層現実味をあぶりだしていると感じました。

さて。
文頭に戻りますが、
鑑賞後なんといっても考えさせられたのは「これは果たして過去の出来事なのか」でした。
思えば世界が暴力に溢れ、圧政が続く様は今も昔も変わらぬ風景。
今日この瞬間も不条理、不合理に晒され、「戦わざる得ない」市井の人々がいる。
笑って過ごせることの愛おしさ、ただ海を眺め、犬と戯れる幸せ。
許されない日常をどうして甘受できようか。

歴史は教科書ではなく、現在に続く地続きの道筋。
よく心にとどめておこうと感じました。

【評価・つけるとすれば】
4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊豆の四季やイベント、グルメ情報などを中心に、時々は好きな映画や本などのこともUPしていきます。
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