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アルシオン通信

Alcyon Blog

2025年11月 の投稿
2025年11月18日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年65本目】映画「爆弾」観ました。

【解説・あらすじ】

酔った勢いで自販機と店員に暴行を働いた中年男(佐藤二朗)が、警察に連行される。
男はスズキタゴサクを名乗り、霊感を持っていると称して都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。
半信半疑で話を聞いていた刑事の類家(山田裕貴)だったが、
実際に爆発が起こり、さらに男はこの後3回の爆発が起こると予見する。

呉勝浩の小説を実写化したミステリー。
霊感を持つと称して都内に仕掛けられた爆弾の爆発を予告する男と、爆弾のありかを聞き出そうとする刑事たちの攻防を描く。
監督は永井聡。
山田裕貴、伊藤沙莉、染谷将太のほか、夏川結衣、渡部篤郎、佐藤二朗らが出演する。

【感想】
これぞ小説映画化の最高峰!

まずストーリー、脚本。
これはもう圧巻!
原作は既読でかつ素晴らしく面白かったのです。
クオリティの高さ、つまりは映像化にはハードルが高いと思っていましたので
いかに最小限の希釈で済ますか、もしくはどうやってダウンサイジングするのかと構えて鑑賞したのですが、、。
これらは全くの杞憂。
小説のボリューム感、台詞の粒立ちを見事に再現しています。
さらには文章ベースではわかりにくかった心理描写、構図の変化などまでも書き切っています。
そぎ落とすのではなく肉付けする、この難易度高いミッションを見事に越えて見せた見事すぎる脚本です。

そして演出演技。

まず間違いないのはこれがベストオブ佐藤二朗!
過去作を追ってみてもおそらくはこういうシリアスな役どころの方が上手いのは知ってはいたのですが、
ちょっと想像以上、、、。
この作品をもって「何でもできる達者な俳優」から「何でもできる名俳優」に完全変化。
間違いなく今年の邦画の最高峰の演技、これだけでも必見。

なんですが。

俳優陣の演技合戦、佐藤さん以外もすさまじすぎる緊張感。
山田裕貴さんは主役の圧に負けてないし、
伊藤沙莉さんも短いシーンでしっかりと存在感を示す。
染谷さんの葛藤、
渡部篤郎さんの枯れた演技。
各々が役を生きている、バックグランドまで感じさせる深み。
これもまた今年度方が最高峰のアンサンブルです。

さて。
今作は大枠で言ってしまえば密室劇場型のテロゲーム。
現実的にはあり得ないでしょう。
ですが、考えれば考えるほど、
ホントに非現実的かなと薄暗い不安感を覚えます。

僕、僕らはいつも聴衆。
主体的にかかわっていないふりをして安心しているけれど、
それでいて自分の物語の中ではいつだって主役。
それが反転していることも気づかずに、無自覚に日々過ごしている。
ひとたび事起これば十把一絡げの市井の人として数に数えられてしまう。

一言で言ってしまえば危機意識の低さなんですがレベルの設定がわからないのがどうにも不安。
その間隙を見事に突く、いや貫いて、木っ端みじんに破壊していく「爆弾」

見事な作品、圧倒的な137分。
これはおすすめです!!!

【評価・つけるとすれば】
4.5です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2025年11月11日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年64本目】映画「見はらし世代」観ました。

【解説・あらすじ】

再開発が進む東京・渋谷。
胡蝶蘭を配送している運転手の蓮(黒崎煌代)は、幼いころに母親の由美子(井川遥)を亡くし、
ランドスケープデザイナーの父親・初(遠藤憲一)とは疎遠になっていた。
ある日、蓮は配達中に父親と再会する。
姉の恵美(木竜麻生)にそれを話すが、彼女は興味を示さず、自分の結婚の準備に夢中だった。
蓮は家族との距離について考え始める。

東京・渋谷を舞台に幼いころに母親を亡くした青年と父親の関係を黒崎煌代主演で描いたドラマ。
胡蝶蘭を配送する仕事をしている主人公が、疎遠になっていた父親と再会する。
監督は団塚唯我。
主人公の父親を遠藤憲一が演じ、ほかに木竜麻生や菊池亜希子、井川遥などが出演する。

【感想】
若き才能、開花。日本映画の新基準!

まずストーリー、脚本。
所謂「家族」モノ、その崩壊と再生の物語と思いきや。
フレームをずらしながら家族と街、その変容を捉える展開。
伏線の貼り方、回収の的確さもさることながら急激に加速するストーリーは想像以上に緻密。
論理と感覚のバランスにも才気を感じました。

次に演出演技。
特に感じたのは「撮り方」
人物をまるで風景のように、風景をまるで人物のように。
遠景を近く、近景を遠く感じさせるような作画が新鮮。
人物の台詞割りも徹底していて、混雑なく、それでいてちゃんと余白のある演出も効果的。
お話そのものの核心にきっちり誘う、これまた上手い。。。
役者陣も外しのない座組。
遠藤憲一さん、井川遥さんというベテランと黒崎煌代さん、木竜麻生さんといったライジングスターの組み合わせは象徴的。
各々が役に入り込み演じきる様には緊張感も十二分。
特に遠藤さん、僕の観た作品の中ではベストアクト。
これだけでも鑑賞の価値があると思います。

さて。

何かを失うことと得ることは本当に表裏一体で。
後悔はやはりいつだって先に立たず、
やり直しはどうしたってできないことの方が多い。

ままならぬ日々にいらだち、
苦悶に眉間をゆがめようとも日常は進み、
街は、社会は変容してゆく。

いったい自分は進んでいるのか、
それとも取り残されているのか。

自己の停滞感を見透かされているような感情を覚えました。

監督の年齢的な若さが話題先行する今作、
とはいえ若者向けの映画じゃない。

どの「世代」にも刺さる意欲作だったと思います!

【評価・つけるとすれば】
4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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by alcyon | 映画観た
2025年11月09日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年62本目】映画「七人の侍・4K」観ました。

【解説・あらすじ】

戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描いた作品。
黒澤明監督による日本映画の傑作。
麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。
百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。
百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。
やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる。

監督は黒澤明。キャストに三船敏郎、志村喬など。

【感想】
一生で一番短い「3時間」!これぞエンターテインメント!!

まず脚本。
圧倒的に面白い!!
農民を取り巻く状況からの浪人集め、
浪人それぞれのエピソード、
綿密な作戦会議、
一気呵成の決戦まで、
ムダのない、それでいて不足が一切ない台詞回し。
その上一言一言がケレン味がない、洒落ている。
流石、世界の黒澤、抜群すぎるストーリーテリングです。

そして演出演技。
これもまた圧巻。
いったい何台のカメラを使ったのか?
一つ一つのシーンのつなぎがシームレス。
まるでライブ映像のような迫力。
ただでさえ画角が完璧なのに、、。
執念の画作りは圧巻です。
俳優陣も素晴らしい、いやすさまじい。。
人の形を借りて人を演じる、とはいうものの、全員役に入り込んでいて。
まさに映画の中で生きている。
村人のひとりひとりの所作まで抜かりなく、
さらには完璧なボディメイキングまで仕上げてみせる。
現代映画では当たり前の光景ではありますが、
これを1950年代、いまから70年以上前にやってのける技術はもはや魔術の領域。
現場に思いはせると恐ろしささえ感じます。

さて。
この映画を観て感じるのはやっぱり、
「映画って何だろう」、特に尺についてでした。

僕自身娯楽映画からアート作品までまあまあ幅広く鑑賞しますが、
どうしたって面白い、性に合わないは出てきます。
翻ってみてその「体感時間」は物理に合わないこともしばしば。
超短い4時間も、永遠のような30分も存在するし、なんだったら当たり前に思っていました。

それでもこのように研ぎ澄まされた作品にふれると、

やっぱり面白いものは短いな、
もっと観ていたかったな、

と感じます。

これは監督をはじめとした制作スタッフ全員が、
観客がいる、観客がいて初めて「仕事」ができるということから目をそらさず、
その一点をのみ目的にこだわりを磨ききったから、
独りよがりを完全に廃しきったからこその結果。

翻って自分の「仕事」、その向かう先のこだわりはどうなっているのだろうと考えざる得ない作品でもありました。
とにもかくにも必見の一作だったと思います。

【評価・つけるとすれば】
4.7です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2025年11月06日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年61本目】映画「ワン・バトル・アフター・アナザー」観ました。

【解説・あらすじ】

元革命家のボブ(レオナルド・ディカプリオ)は、最愛の娘・ウィラ(チェイス・インフィニティ)と共に平凡な日々を送っていた。
しかしある日突然ウィラが何者かにさらわれたことで彼の生活は一変する。
ボブを執拗に追い詰める軍人のロックジョー(ショーン・ペン)や、
次々と彼に襲いかかる刺客たちと死闘を繰り広げる中で、
ボブの心に革命家時代の闘争心がよみがえる。

何者かに一人娘をさらわれた元革命家の男性が戦いに身を投じる姿を描くアクション。
かつて革命家だった男性の一人娘が誘拐され、彼女を助けるために父親が奮闘する。
監督などを務めるのはポール・トーマス・アンダーソン。
レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペンのほか、ベニチオ・デル・トロ、レジーナ・ホールらがキャストに名を連ねる。

【感想】
極上のストーリーテリング、最上の演技合戦!これこそが「戦う」映画!

まず脚本、ストーリー。
アクションシーンの中にコミカルさまで感じる台詞回し。
それでも移民排斥や異人種差別と言った強烈な現代性をもったテーマを見事に織り込んでしまう。
さらには家族愛や社会的分断孤立といった要素を見事に当てはめていく。
小さな布を縫い合わせ大きなパッチワークを作り上げる手腕は流石すぎます。

さらに演出演技。
戦闘シーン、カーチェイス、緊迫感とコメディタッチ、ほっこり家族愛とべっとりエロティック、、。
てんこ盛り、相反するような要素を見事に演出に落とし込み、カメラの中に収めてしまう。。
さらには脚本の骨格を最後の最後までだれさせない筋の通し方。
「頭の中」を言語化することだけでも十分難儀なのに、さらにここまで映像化。
率直に言って戦慄です。。・

俳優陣も超熱演!
ディカプリオさん、ショーンペンさん、デルトロさん、
三人もオスカー俳優を使っているのにもかかわらず、
さらに全員振り切った演技をしているのに「渋滞感」は全くなし。
むしろ見事なハーモニー。
さらに娘役チェイス・インフィニティさんの超新星ぶり!
三人を向こうに回して喰うほどの演技力。
末恐ろしさに震えました。

さて。
映画鑑賞後どうしても感じてしまったのはそのメインテーマである人間の「差別意識」。
僕自身意識をし、なるべくフラットに、、とは思っているけれど、完璧かと言われれば多分そうじゃない。
小さな意識の積み重ねが思想を育み、行動になり、大きな力を持つようになって、社会を蝕む。
わかってはいるんですが内心をコントロールするのはどうにも難しく、
さらには今作のように「戦う」のはもっと難しい。

ある人のコトバではありますが、

「差別は心ではなく行動で評価しよう」

これにつきるのかなと感じました。

十二分に記憶に残る「映画体験」だったと感じています。

【評価・つけるとすれば】
4.2です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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