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アルシオン通信

Alcyon Blog

2025年12月 の投稿
2025年12月14日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年69本目】映画「平場の月」観ました。

【解説・あらすじ】

妻と離婚後に地元へ戻り、印刷会社に再就職して平穏に暮らす青砥健将(堺雅人)は、あるとき中学時代の初恋相手だった須藤葉子(井川遥)と再会する。
彼女は夫との死別などつらい過去を抱えながらも、今はパートで生計を立てているという。
互いに独り身となり、さまざまな人生経験を重ねてきた二人は、
離れていた時間を取り戻すかのように過ごすうちに、再び惹かれ合うようになっていく。

山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみの恋愛小説を実写映画化。
中学時代の初恋の相手同士である男女が年月を経て再会し、心を通わせていく。
土井裕泰が監督、向井康介が脚本を担当。
主人公を堺雅人、彼の初恋相手を井川遥、主人公の同級生を大森南朋が演じるほか、
中村ゆり、でんでん、吉瀬美智子、坂元愛登、一色香澄らが出演する。

【感想】
最初の恋、最後の恋。
その行方を丁寧に描いた今年を代表する恋愛映画。

まずストーリー、脚本。
原作は既読で、割としみじみした展開のお話なので、まさか映画化されるとは思っていませんでした。
そこは流石の向井脚本。
しっかりと原作と向き合い、読み解き、物語を再構築し、台詞を紡ぐ。
小説で表現されているモノを削ることなく肉付けしていく。
ややこしく感じていた時系列の整理や過去のいきさつといった背景の説明の質量感もお見事。
没入感を十分に感じれるストーリーテリングです。

そして演出、演技。
まずなんと言っても堺雅人さん、井川遥さん。
互いの感情を少しずつ染み出させ、一つの色として溶け合わしていくような表現。
どんな演技プランで臨んだのか、ちょっと見たことのないトーンで引き込まれました。
そして二人の中学生時代を演じた坂元愛登、一色香澄さん。
どこまでもまっすぐ、これほどにも瑞々しい。
見事に二人の若き日々を演じきっていてこれもまた必見です。

演出のトーンも極めて日常的。
浮き立つような気持ちをしっかりと実存化させる手法、
その分キャスト全員の感情がしっかり伝わる設計。
観客の刺さりどころを熟知した作画だったと思います。

さて。
誰にでも訪れる恋のはじまり、そしてその終わり。
初恋だからといって必ずしも甘いわけではなく。
ほろ苦さを越えた、途方もない苦しさも時に携える事もあるのでしょう。
翻って今作、
本当のラストシーンは思い出の中でも、現実の事象でもなく、
「この後」に合ったように思います。

大切な人を大切に思う。
当たり前のことをしっかりと伝えてくれる作品でした。

【評価・つけるとすれば】
4.2です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2025年12月12日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年68本目】映画「ナイトフラワー」観ました。

【解説・あらすじ】

借金取りから逃れ、二人の子供たちと共に東京へやって来た永島夏希(北川景子)。
休みなく働きながらも困窮した生活を送る中でドラッグの密売現場に出くわし、稼ぎを増やすためにドラッグの売人になろうとする。
そんな彼女の前に孤独な格闘家・芳井多摩恵(森田望智)が現れ、夜の街のルールを知らない夏希を見かねてボディーガードになることを申し出る。
二人で手を組み、ドラッグの密売で稼いでいくが、ある出来事をきっかけに彼女たちの運命が狂いだす。

内田英治がメガホンを取ったヒューマンサスペンス。
二人の子供を抱えながら困窮した生活を送る母親が、ドラッグの売人になることを決意する。
主人公を北川景子、ボディーガードとして彼女を支える格闘家を森田望智が演じ、
佐久間大介、渋谷龍太のほか、渋川清彦、池内博之、田中麗奈、光石研らが共演する。

【感想】
ただ生きていくこと、その過酷さを社会の暗闇から映しだす問題作!

まず脚本、ストーリー。
構成がとても緻密。
幾重にも張り巡らされた伏線とその回収は実に鮮やか。
倫理観の決壊から先の描写が特に秀逸でラストにかけての安全管理意識の崩壊は完璧な描写。
ラストシーン、これは評価が分かれているようですが僕は広く深く広がる暗闇を感じました。

そして演出演技。
北川景子さんの冒頭「深夜高速」の熱唱からもう圧巻!
それこそ「落ちてゆく」、簡単ではない役柄を見事に体現していたと思います。
森田望智さんの精密かつストイックに作り込まれた肉体表現。
渋谷龍太さんの静かな凶暴性。
キャスト全員がうちに秘めた狂気を夜の闇に溶け込ませていく、すさまじい職人芸。
演出も夜も昼も薄暗さを残し、それでいてメリハリも感じる絶妙さ。
内田英二監督の執念を十分に感じ取ることができます。

さて。
正直「普通に暮らしていれば」、感じることなどないであろう闇の世界。
それでもなお押し迫ってくるこの漆黒の実存感。
それは日々の中で、社会との接点が不安定になり、揺らぐ感覚をきっと僕も共有しているから。
明日は我が身とまでは思いませんが、
世の中は幸福な人だけで構成されているわけではなく、
不幸はいつも必要以上に追ってきていると感じさせられる作品でした。

【評価・つけるとすれば】
4.1です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

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by alcyon | 映画観た

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こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
伊豆の四季やイベント、グルメ情報などを中心に、時々は好きな映画や本などのこともUPしていきます。
メールはこちらまで・・info@alcyon-izu.com
連絡先はこちらまで:0557-51-5600

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