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アルシオン通信

Alcyon Blog

2025年07月04日 の投稿
2025年07月04日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年27本目】映画「国宝」観ました。

【解説・あらすじ】

任侠の一門に生まれるも数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引き取られた喜久雄(吉沢亮)は、
激動の日々を送る中で歌舞伎役者としての才能を開花させる。
一方、彼が引き取られた家の息子・俊介(横浜流星)は名門の跡取りとして歌舞伎役者になることを運命づけられ、
幼いころから芸の世界に生きていた。
境遇も才能も対照的な二人は、ライバルとして互いに切磋琢磨し合いながら芸の道を究めていく。

芥川賞作家・吉田修一が歌舞伎の世界を舞台に書き上げた小説を映画化。
任侠の家に生まれるも、数奇な運命によって歌舞伎界に飛び込んだ男が芸に身をささげ、
歌舞伎役者としての才能を開花させていく。
監督は李相日、脚本は奥寺佐渡子が担当。
激動の人生を歩む主人公を吉沢亮、
彼の親友でライバルとなる歌舞伎界の御曹司を横浜流星が演じる。

【感想】
圧倒的緊迫感。この座組ができた事こそが奇跡の一本。

まずストーリー。
原作は未読なのですがおそらくは膨大かつ重厚なことは推察。
その上でリズムや緊迫感を失わず、約「三時間」の長丁場を緩みなく走りきる。
さらには誰もがその存在を知っているが決して身近ではない歌舞伎・梨園の世界をわずか「三時間」に封してみせる。
小説映像化の水準、その沸点を一気に上げたすさまじき、圧倒的な力量の脚本です。

そして演出・演技。
まずはこの時代、吉沢亮と横浜流星という希代の俳優が二人そろう奇跡。
これだけの大型作品、人気と技術、供に兼ね揃えたこの二人の存在なくしてこの映画は成立しない、おそらく企画も通らない。

どこまでもどこまでも突き抜けてゆく吉沢亮。
自分こそが主役の演技ができるはずなのに敢えて「引く」、裏打ち的な技術もできることを証明した横浜流星。
歌舞伎そのものを演じてみせた渡辺謙。
国宝を演じるのにこれほどの説得力を持たせることができるのは世界でこの人だけ、田中泯。
いったいどこから連れてきたのか、末恐ろしいとしかいいようのない子役陣。

この隙のないキャスト陣のライフタイムベスト、常に上を目指す演技合戦を観るだけでも劇場に足を運ぶ価値は十二分。

演出の濃度も秀逸。
「演じる」だけでも相当な難易度なのに、
映画の中にもう一箱、演劇的演技を構築し、矛盾なく破綻なく魅せきる。
同じ映画の中に観客目線、役者目線をシームレスに共存させ、
家族の背景、恋人との行方、何より主軸二人の愛憎をも越えた友情を描ききる。
これまたよくぞたったの「三時間」で、と思わざる得ない、出色の出来映えでした。

まあ強いて言うなら、

女性陣の心情の変化への書き込みが薄く、観客任せな点は少し不親切。
ここも深掘りするには尺が延びるばかりでしょうから仕方ない、のはわかるのですが、
これだけのキャスト陣、もったいなく感じたのも確かです。

画作り的にも色の出し方が緩く感じ、
劇中劇もやや長く感じました、

がこれはいちゃもんの範囲、
問題と言うほどではないです。

さて。
生きていく。
その長くもあり短くもある日々の中で、
いったいどれほどのことが自分の思うようになるのか。

夢を見ることはできようが、実現はたやすくなく。
努力を重ねようとも必ず報われるわけでもなく。
幸運を目にしてもうまく飛びつけず、
悪運の深みには足をとらわれる。

順調、で有ることの概要は実はほんの一部の事象で、
他者や環境の引力に支配されていることの方が多いように感じます。

それでもです。

人は努力をやめないし、夢を見続ける。
時に狂気に陥ろうとも前を向き続ける。

報われる世界への希求なくして人生はままならないのもまた真実。

我々が映画や演劇にかりそめの希望を見るのはやはり必然。

それをここまでソリッドに走り抜けた今作。
歴史的傑作だったと思います。

追記
鑑賞後「覇王別姫、さらば我が愛」を想起しました。
こちらも改めて鑑賞したいと思いました。

【評価・つけるとすれば】
4.4です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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