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アルシオン通信

Alcyon Blog

2023年11月01日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年71本目】映画「ダンサーインPARIS」観ました。

【解説・あらすじ】
セドリック・クラピッシュ監督が、けがで夢を絶たれたダンサーの再起を描く人間ドラマ。
バレエ一筋の日々を送ってきたダンサーがコンテンポラリーダンスとの出会いを通じ、新たな人生を切り開こうとする。
パリ・オペラ座のバレエダンサー、マリオン・バルボーが主人公を演じ、
振付家など幅広く活動するホフェッシュ・シェクターが本人役で出演するほか、
ダンサーのメディ・バキ、ドゥニ・ポダリデス、ミュリエル・ロバン、ピオ・マルマイらが共演する。

幼いころからバレエ一筋で、パリ・オペラ座バレエでエトワールを目指すエリーズ(マリオン・バルボー)。
しかし夢の実現を目前に、恋人の裏切りに動揺した彼女はステージで足首を負傷し、医師に踊れなくなる可能性もあることを告げられる。
失意の中、新たな生き方を模索する彼女はアルバイトで訪れたブルターニュで、あるダンスカンパニーと出会う。
従来のバレエと異なる独創的なコンテンポラリーダンスが生まれる過程を目の当たりにし、
誘われて練習に参加したエリーズは、未知のダンスを踊る喜びと新たな自分を見いだす。

【感想】
リアリティにこだわり抜いた圧巻のダンス!

まずストーリー。

アーティストでありアスリートとしてのダンサー。
肉体的な優美さと力強さ、
精神的な自身と葛藤、
若さの持つ危うさ、
ダンサーとしてはベテランの成熟感、
といった要素をバランスよく配置。
そこに恋愛要素や家族の愛情といったものをきっちりと織り込む、
実にウェルメイドなストーリー展開です。

次に演出、演技。
パリとブルターニュという都市と田園の情景を活かし切るロケーションの巧みさ。
なにげに天候の変化も上手に活用。このあたりは本当にうまいです。
ダンスシーンのリアリティは圧倒的。
こだわり抜いたことがダイレクトに伝わり、それだけでも眼福。
役者陣も研ぎ澄まされた演技。
台詞回しもスムーズで、ダンサー感と俳優感を両立。
全体的に隙のない、きっちりした作風です。

さて。
かくも美しいダンスの連続で感じたことはやはり「才能」についてでした。
もちろん天賦の何かがなければ始まらないのでしょうけれど、それだけではきっと足りない。

例えば情熱。
もちろん努力。

そのいずれもが狂気的な領域で掛け合わされたとき「何か」がはじける。

これは若さの特権ではない。
誰でもいつでもどこででもなのではなかろうか。

そんなことを強く感じさせてくれる作品でした。

【評価・つけるとすれば】
3.9です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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by alcyon | 映画観た
2023年10月29日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年70本目】映画「バーナテッド・ママは行方不明」観ました。

【解説・あらすじ】
リチャード・リンクレイター監督が、マリア・センプルによるベストセラー小説を映画化。
極度の人間嫌いで毎日のようにトラブルを起こす母親が、ある出来事をきっかけに家族の前から姿を消し、南極へと旅立つ。
夢を諦め息苦しさを抱えた主人公をケイト・ブランシェットが演じ、ビリー・クラダップ、クリステン・ウィグ、エマ・ネルソンらが共演する。

アメリカ・シアトル。
主婦バーナデット(ケイト・ブランシェット)は一流企業に勤める夫エルジー(ビリー・クラダップ)と娘ビー(エマ・ネルソン)と共に幸せな日々を過ごしているように見えたが、
極度の人間嫌いで隣人やママ友たちとうまく付き合えず、トラブルを起こしてばかりいた。
かつて天才建築家としてもてはやされながらも、夢を諦めていた彼女は、主婦として過ごす日々に息苦しさを募らせていく。
そんな中、ある出来事をきっかけに限界を感じたバーナデットは、突如家を飛び出し南極へ向かう。

【感想】
笑う、泣く。シンプルな感情が不器用に溢れる。
家族と自分、社会と個人の関係を鮮やかに描き出す人間賛歌。

まず構成、ストーリー。
一言で言って巧み!
逃避行的な行方不明と社会的な価値喪失を縦横に絡め、
家族、近隣、社会といったスパイスで広がりと深みを作っていく。
熟練のストーリーテラーぶり、リンクレーター監督ならではの作家性を存分に堪能できます。

そして演出だったり、演技だったり。
これはなんといってもケイトブランシェットに大拍手!!
鬱屈した状況を認められない自尊心。
家庭や近隣社会で上手に立ち回れないことへの劣等感。
この繰り返し、切り替えをくるくる演じ分けていくのはかなりの高難度。
さらにラストへかけての解放の演技も加えるともはや至難。
しっかり演じきっていて、それだけでも眼福ものです。

ロケーションもシアトルという都市の景観と南極の風景の対比を心象として活かし切り当たり、
これもまたさすがの演出力でした。

さて。
時々思うのです。
輝かしい過去ほどやっかいなものはない、と。
栄光だったり、素晴らしい業績は瞬間風速がなすものだったりして、
後に再現性を持たせるのはまさに困難。
難攻不落の砦のように感じます。

それでも。
取り戻したい。
さらに前に進みたい。

あるいは。
過去から卒業したい。
新しい自分を作り上げたい。

この原始的な欲求に抗う、少なくとも僕はその方法を知りません。

バーナテッドの不幸は才能がありすぎること。
バーナテッドの幸福は才能がありすぎること。
バーナテッドの不幸は人に恵まれていないこと。
バーナテッドの幸福は人に恵まれていること。
バーナテッドの、、、。。

無限に出てくる幸福の定義を見つめ直す、感慨深い作品で会ったと思います。

【評価・つけるとすれば】
3.9です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2023年10月24日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年69本目】映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」観ました。

【解説・あらすじ】

キアヌ・リーヴス演じる伝説の殺し屋ジョン・ウィックの死闘を描くアクションシリーズの第4弾。
裏社会のおきてを破ったことで粛清の対象になったジョンが、組織と決着をつけるべく動きだす。
監督は前3作と同じくチャド・スタエルスキ。
主演のキアヌ、ローレンス・フィッシュバーン、ランス・レディック、イアン・マクシェーンらおなじみのキャストに加え、
ドニー・イェン、ビル・スカルスガルド、真田広之、リナ・サワヤマらが新たに出演する。

伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は、裏社会のおきてを破りながらも粛清の包囲網を生き延び、全てを支配する組織「主席連合」と決着をつけることを決意する。
一方、組織内での勢力拡大をもくろむ高官グラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)は、裏社会の聖域だったニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破。
さらにジョンの旧友でもある盲目のケイン(ドニー・イェン)を抱き込み、ジョン狩りを始めようとしていた。

【感想】
究極のまだ先があった!濃密、ノンストップ、息継ぎ無用のガンアクション!

まずストーリー。
これは余り捻りを加えず、シンプルな構成。
推進力、加速感に全振りしています。
大阪、ベルリン、ローマとつなぐロケーションはまさにダイナミック。
展開の大きさも見応えあり。

演出だったり、演技だったり。
これはやっぱり大阪パートの真田広之、全編を通じてのドニーウェンが秀逸。
事前の予想以上にたっぷり、存分に暴れてくれます!
動きのキレも素晴らしく、さすがアクション出身の出来映えです。

ただ、やっぱり160分を超える上映時間は長いし、長く感じるし。
これは、ガンアクションの際、弾数そのものが多すぎるのが原因かなと思います。
迫力はあるんですが、さすがに飽きてしまいました。。

夫婦愛、的なところには強く共感するのですがこれも既視感ありあり。
せめてあと20分、短ければもっと濃密な体験になったのではと感じました。

【評価・つけるとすれば】
3.7です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2023年10月20日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年67本目】映画「夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く」観ました。

【解説・あらすじ】

小説サイト「野いちご」に連載された汐見夏衛の小説を実写化したラブストーリー。
ある出来事によって優等生を演じてきた女子高生が、自由奔放な性格のクラスメートと惹かれ合う。
メガホンを取るのは『美しい彼』シリーズなどの酒井麻衣。
ボーイズグループ「JO1」の白岩瑠姫、『おとななじみ』などの久間田琳加らが出演する。

丹羽茜(久間田琳加)はマスクを手放せず、常に周囲の空気を読みながら高校生活を送っていた。
本当の自分と周囲からのイメージの違いに悩む中、銀髪のクラスメートの深川青磁(白岩瑠姫)と言葉を交わすようになる。
茜は自分のことを平然と「嫌い」だと告げてくる青磁に戸惑いながらも、彼が描く絵と性格に惹かれる。
少しずつ距離を近づけていく茜と青磁だったが、彼らはある秘密を抱えていた。

【感想】
穴だらけの構成、褒められない演技。それでも惹かれてしまう、ピュアなラブストーリー!

まずストーリーとか構成とか。

キュンキュンもするし、ひりつきも感じる。
明るい展開と鬱屈した影もちゃんとある。
アイドル映画、ではないきっちり目の構成。
恋愛青春映画の文法を忠実に守っています。

そして演出とか演技とか。
演出は結構ご都合主義。。。。
演技はちょっと見ていられない役者さんと、異常にうまい役者さんが混在していていびつ。。
バランスがいいとはいえないのですが、それでも役者陣の熱意とチームとしての推進力を感じ、
なかなか好感度は高かったです!

さて。
青春にはキラキラが必要。
一方であんなに苦しみを感じた日々もなかった。
今になって思えば成長痛、だったのでしょうが当時はそう思える余裕なんかなかったように感じます。

恐怖やコンプレックスと向き合って、振り絞って無理矢理でも前を向く。
今だって必要な気持ち、改めて感じることができました。

よい映画でした。出会えてよかった。

【評価・つけるとすれば】
3.8です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2023年10月17日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年66本目】映画「コカイン・ベア」観ました。

【解説・あらすじ】

麻薬密輸人が捨てた大量のドラッグをクマが食べたという実話を基に、
コカインで凶暴化したクマに襲撃される登場人物たちの惨劇を描いたパニックホラー。
麻薬王や警察、子供と母親、レンジャー、不良少年などがさまざまな思惑を抱え、クマの潜む森に入っていく。
監督はエリザベス・バンクス。
出演はケリー・ラッセルやオールデン・エアエンライク、オシェア・ジャクソン・Jr、レイ・リオッタなど。

1985年、セスナ機でコカインを運んでいた運び屋が、アメリカ・ジョージア州の森にコカインを投下したあと、機体から落下して死んでしまう。
麻薬王のシド(レイ・リオッタ)は手下のダヴィード(オシェア・ジャクソン・Jr)にコカインの回収を命じる。
一方、13歳のディーディー(ブルックリン・プリンス)は森へ絵を描きに行くが、コカインを食べて凶暴化したクマに襲われる。

【感想】

正真正銘、ど真ん中のB級スリラー。

まずストーリー。
これは実話に基づく、、とはあるものの、かなりぶっ飛んだ設定。。
親子関係、不良少年、麻薬王と追う警察、そして熊!の視線を重層的??に重ね。
そこそこに散らばめた伏線もなんとなく回収。
強靱とまではいえないものの、しっかりした骨格の脚本にはなっていました。

そして演出、演技。
ゴア描写の多さは写要注意ではあるものの、スピード感を重視というか、振り切った表現は好感が持てました。
人間キャストは手堅い演技。
台詞回しによどみなく、表情の作り方も的確。
主役である「クマ」を十二分に引き立てていると思います。

さて。
ちょっと無理目なんですが、クマを人間、森を社会なんかに置き換えれば、なかなかなアイロニー。
特に親子関係のシビアさには身につまされるものがあり。。
ほんのちょっとほろりともしたりしました。

あまり見ないジャンルの映画なんですが、たまにはいいかもです。

【評価・つけるとすれば】
3.6です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2023年10月15日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年65本目】映画「アリスとテレスのまぼろし工場」観ました。

【解説・あらすじ】

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』シリーズの脚本などを手掛けてきた岡田麿里が2作目の監督を務めるアニメーション。
製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時間が止まった町で、少年少女たちの恋する衝動が閉じられた世界を動かしていく。
ボイスキャストは榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲など。
アニメーション制作をMAPPA、主題歌を中島みゆきが担当する。

製鉄所で爆発事故が起き、全ての出口を失った上に、時が止まってしまった町。
そこで暮らす人々は、いつかもとに戻るために変化することを禁じられていた。
中学3年生の正宗はミステリアスな同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉にやってくる。
そこにはしゃべることのできない、狼のような少女がいた。
正宗と二人の少女によって、均衡を保っていた日常が崩れ始める。

【感想】
閉塞と解放。どちらも愛おしい、純度の高い物語。

まずストーリー。

時間が止まった街。
ほぼ山に囲まれた盆地という閉ざされた空間。
発展もしなければ交代もしない人間関係。
それでも否応がなく成長してしまう自我と体格。

この難しい設定を「秩父」というもはやアニメの聖地を活かし切って描ききる。
緻密さも大胆さも併せ持つ、さすがの岡田脚本を堪能できます。

そして演出、映像。

象徴としての「工場」、この神々しさ。
声優陣の声、息づかいは振り絞るような切なさ。
キャラクターの視線で表現していく感情の豊かさ。

どれをとってもアニメでしか表現できないことを突き詰めています。
覚悟の決まった、ある種狂気じみたスタッフワークには感嘆、いやちょっとした戦慄すら感じました。

さて。
「青春」とは「キラキラしたもの。汗と涙の結晶。」なんてものはまさしく「まぼろし」で。
鬱屈もするし、絶望も感じるし、時間だけが過ぎていくのもまた「あの日々」。

その上恋をすれば。
傷つき、痛み、悩み、苦しむ。

思えばあの頃。

時間なんか無限にあると思っていた。
この喜びが永遠に続くと思っていた。
この悲しみは癒やされないと思っていた。

それでも、前に進む、進んでしまう日々。

等身大の若さを生身にさらけ出した今作。
岡田監督渾身のジュブナイル。

出会えてよかった作品でした。

【評価・つけるとすれば】
4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
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by alcyon | 映画観た
2023年10月04日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年60本目】映画「アキラとあきら」観ました。

【解説・あらすじ】

池井戸潤の小説を映画化。
同じ名前だが生まれも育ちも全く異なる二人の青年が、入社したメガバンクでさまざまな試練に立ち向かう。
監督は三木孝浩。
自らの過去からどんな融資先にも誠実に応対する銀行員を竹内涼真、
大企業の御曹司としての宿命に葛藤する銀行員を横浜流星が演じる。

日本有数のメガバンク「産業中央銀行」に、新入社員として入社した山崎瑛(竹内涼真)と階堂彬(横浜流星)。
瑛は実家の倒産により過酷な少年時代を過ごしたため、人を救うバンカーになりたいという大志を抱く一方で、
大企業の御曹司である彬は情に流されず、冷静に仕事に取り組んでいた。
ライバルとして火花を散らす二人だったが、ある案件で自らの信念を押し通した瑛は左遷されてしまう。
片や順調に出世していた彬は、親族間の争いをきっかけに階堂家グループの倒産危機に直面し、
瑛と彬の人生が再び交差していく。

【感想】
感情が数字を超えていく胸熱映画!

まずストーリー。
メガバンクが舞台、というのは池井戸作品の十八番。
その中でも融資部門に絞っての今回、話の種(融資額)は比較的ダイナミック。
これに数字と感情がしっかり絡む。
こってり感も十分な脚本です。

そして演技、演出。
まず主演の二人、竹内涼真さん&横浜流星さんをキャスティングできたところで勝負あり。
ルックス以上に演技力が光る若手二人、しっかりとしたケミストリーを起こし、素晴らしいアンサンブルを奏でていました。
演出もスピード感、グイグイとトルクの効いた推進力もあり、本来理解が難しいはずの「融資の世界」に没入させることにも成功しています。

ただ、

・どうしても池井戸作品特有のカラーのようなものが色濃く、過去のドラマでも見たようなシーン、デジャブ感が大きかったり、
・全員キャラが立ちすぎていて感情の余白が少なく感じる。悪、であってももう少し多面的な方が最後納得しやすかった。

など、気になる点がない、まではいかずです。

さて。
振り返れば僕もサラリーマン時代を経ての今、ですので組織については思うところがあり。
トップダウンにせよボトムアップにせよ結局ガバナンスが効いていないと社員は居づらくなる。
組織はやはり頭から腐る。(自戒が発動しました。。。。)
そして何より、
友情や信頼、人間性、思いやり、助けたい。
列挙してみると「言葉」はやはりきれい事に感じるところもあるのですが。
数字、理論もやはり人が様々な感情の元積み上げてきたもの、
それならば最後は人間関係が物事を成し遂げていくラストワンマイルになる。

ドライだったり、クールだったりすることが価値で、突き放したような露悪的言質がはやりまくってる今日。
やっぱりちがうんじゃないかと再認識させられた作品でした。

【評価・つけるとすれば】
3.8です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
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by alcyon | 映画観た
2023年10月01日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年58本目】映画「ヒトラーのための虐殺会議」観ました。

【解説・あらすじ】

数千万人のユダヤ人絶滅政策を決定したヴァンゼー会議を題材に描くドラマ。
ナチス戦犯アドルフ・アイヒマンが記録した会議の議事録に基づき、ヨーロッパの全ユダヤ人虐殺計画が立てられていく会議の様子を映し出す。
監督を務めるのはマッティ・ゲショネック。
フィリップ・ホフマイヤー、ヨハネス・アルマイヤー、マキシミリアン・ブリュックナーらがキャストに名を連ねる。

1942年1月20日。国家保安部代表のラインハルト・ハイドリヒは、ナチス親衛隊と政府高官ら15名を、ドイツ・ベルリンのヴァンゼー湖のほとりにある邸宅に招集する。
「ユダヤ人問題の最終的解決」についての会議が開かれ、彼らはヨーロッパの全てのユダヤ人を抹殺する計画について話し合う。
会議ではユダヤ人の移送、強制収容、強制労働、計画的殺害などが異論なく議決される。

【感想】
これは決して「凡庸な悪」ではない!!絶対に目をそらしてはいけない「本物の悪」だ!!

まずストーリー。
1942年の冬に実際行われた「ヴィンゼー会議」を元に作成。
官僚、政治家、軍人らが顔をそろえ、腹を探り合う姿を淡々と映し出しています。
互いの合理性を主張しあう、議論の精密さはまさにビジネス会議。
真実味、リアルさを追求した構成です。

そして演出、演技。
終始寒々しい外=戦争の世界と、ぬくぬくとした中=特権階級を意識させる。
実際に行われたであろう会話の端々のニュアンス、やりとりの温度感など役者陣のなりきりぶりも見事。
見た目はシンプル、味付けはしっかり塩味の効いた、といったところです。

ただ、やはり題材が題材。
ほぼテーマ的にも他作で語り尽くされている内容なので新規性に薄く。
また、シンプルすぎて単調に感じ。
もうすこしエンタメ要素、盛り上がりをつけても、、とは感じるところです。

さて。
「ユダヤ人虐殺」です。
これがヒトラー単独ではなくエリートの手によって効率よく実行されたこと。
いつ、どこで、誰と話しても怒りと恐怖、プラス吐き気しかでてこない。
全体主義の恐怖、と一言で済ますのも簡単ですが、果たしてこの悲劇から何を学んだのか。
翻って現代の難民問題、ロヒンギャやシリア一つ二つとっても「人道」は蔑ろ気味に感じます。
80年たっても学べない。
このことこそが恐怖で、怒りを感じる。
他山の石ですらない、我が身の「会議」であったように思いました。

【評価・つけるとすれば】
3.8です。

ちなみに
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2023年09月28日

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kazu_R

【観た/2023年55本目】映画「シャイロックの子供たち」観ました。

【解説・あらすじ】

池井戸潤の小説を原作に、とある銀行の支店で発生した現金紛失事件を描くミステリー。
事件をきっかけに、複雑に絡み合う人々の思惑や欲望が浮き彫りになっていく。
メガホンを取るのは本木克英。
阿部サダヲ、上戸彩、玉森裕太のほか、柳葉敏郎、杉本哲太、佐々木蔵之介らがキャストに名を連ねる。

ある日、東京第一銀行の小さな支店で、現金が紛失する事件が起きる。
ベテランお客様係の西木(阿部サダヲ)は、同じ支店に勤める愛理(上戸彩)や田端(玉森裕太)と協力して事件の真相を探る。
この支店には、出世コースから外れた支店長の九条(柳葉敏郎)、超パワハラ副支店長・古川(杉本哲太)らがいた。

【感想】
強欲と良心のせめぎあい!表も裏も暴き出すノンストップ金融エンターテイメント!

まずストーリー。
巨大なメガバンクとその小さな支店。
大きすぎる組織の力と小さすぎる個人の思い。
この相似形を軸に暗躍する悪、暴走する権力、といった要素で濃いめの味付け。
咀嚼のしがいのあるこってりした、食べごたえのある脚本でした。

そして俳優陣、演出。
ここぞとばかりに実力派だけで構成。
芸達者すぎる配役もまた、味は濃いめ。
さらには俳優自身が持つイメージやメソッドも使い切る。
演者も演出ものびのびやりきっていたのではないでしょうか。

ただ、この手のコンゲーム型の作品は数多に有り、他作を超えるなにかがあったか?
また、演者や演出でこの作品でしか見れない意外な演技、シーンはあったか?
といえば、ちょっと予想の範囲内で収まるのは残念なところでした。

さて。
シャイロックといえばシェイクスピアの「ヴェニスの商人」、強欲な金貸しです。
この是非を問う、のはじつは案外難しいじゃないかと思うんですよね。
金貸し自体は悪いことじゃない。
借りる人も最初は助かったはず。。
問題は強欲との折り合い。
この欲目の割合を間違えると「悪者」にされてしまう。
単純に勧善懲悪とは言い切れないのが
「ヴェニスの商人」で、「シャイロックの子供たち」で「この世の中」、なのかなあ、、。
と割り切れなさを残す、複雑な気持ちになる作品でした。

【評価・つけるとすれば】
3.8です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
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2023年09月26日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年53本目】映画「バービー」観ました。

【解説・あらすじ】

世界中で発売されているファッションドール、バービーを映画化したファンタジー。
ハッピーな毎日を送ることのできるバービーランドで暮らすバービーとケンが、リアルワールド(人間の世界)に迷い込む。
バービーをマーゴット・ロビー、ケンをライアン・ゴズリングが演じる。
監督はグレタ・ガーウィグ。

“バービーランド”はどんな自分にでもなれる、夢のような場所。
そこに暮らすバービー(マーゴット・ロビー)は、ある日突然、体に異変を感じる。
バービーは原因を追求するべく、ボーイフレンドのケン(ライアン・ゴズリング)と共に人間の世界へとやってくる。
そこでバービーは、自分の思い通りにならない経験をする。

【感想】
まず観て、一度胸に手を当ててみる。。。。

では、ストーリーについて。
バービー人形の歴史、制作の経緯などをしっかり折り込みながら進むので、「この世界観」未体験の「男性」でも問題なく観れる設計。
同時にフェミズムの構造を啓示することで強烈に男性社会のマッチョズム、マンプレ、ミソジニー、ルッキズムなどを浮き彫りに。
抉ってくる脚本。
流石です。。

演出、演技面。
マーゴットロビー、ライアン・ゴズリングを中心にまさに奮闘。
華やかなミュージカルシーンのダンスも頑張りを感じましたし、
分量の多いセリフも破錠なくこなすのは相当の負荷、やってのけた感を感じます。

よくぞこの映画を成立させた!
テーマの内容やその教示、矜持には100%同意せざる得ないし、観たあとには反省しかない!

のですが、、。

ミュージカル映画?にしては曲が今ひとつ記憶に残らない。
テンポも途中で緩む、もしくは本来の監督の作風に戻る。
お話の主題は理解するが、やや強引に感じるところも散見する。
「いい材料使ってます!全部入りラーメン」のようなボリューム感で肝心の味がぼやける。。

等々、
映画としてどうだったかと問われるとすこし微妙な気持ちになりました。

ビックバジェットでメジャープレイヤーを揃え、成功を強いられる環境での制作、
のびのび作ったのかしら、本当にこれをつくりたかったのかしら。

テーマは満足、作りは不満、というのが正直なところでした。

【評価・つけるとすれば】
3.8です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

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