こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【2022年映画鑑賞総まとめ&ベストテン】です。
まずは全リスト!!
【ベストテン】
マイスモールランド | 4.70 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/07/20220703.html |
FLEE | 4.60 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/07/20220702.html |
恋は光 | 4.60 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/07/20220731.html |
少年の君 | 4.50 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/02/20220206.html |
ブルーバイユー | 4.50 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/09/20220911.html |
アメリカン・ユートピア | 4.40 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/01/20220116.html |
トップガン・マーベリック | 4.40 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/06/20220627.html |
リコリスピザ | 4.40 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/07/20220727.html |
さかなのこ | 4.40 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/09/20220915.html |
THE FIRST SLAM DUNK | 4.40 | https://www.alcyon-izu.com/blog/2022/12/20221228.html |
でした。
今年はあまり見れませんでしたがそれでも、「マイスモールランド」、「FLEE」は必見すぎ。とにかく観て!
全部で77本、2023年は、もう少し観たいです♪
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年77本目】映画「THE FIRST SLAM DUNK」観ました。
【解説・あらすじ】
バスケットボールに青春をささげる高校生たちの人間的成長を描いた、井上雄彦の人気コミックを映画化したアニメーション。
ボイスキャストは宮城リョータ役の仲村宗悟、三井寿役の笠間淳、流川楓役の神尾晋一郎、桜木花道役の木村昴、赤木剛憲役の三宅健太などが名を連ねる。
監督と脚本を原作者の井上自身が担当する。
【感想】
最高にアガるオープニング、最高にエモいエンディング!
原作ファンをねじ伏せ、原作未体験者をも唸らせる、スポーツアニメの一つの頂点!
まず、ストーリー。
原作ファンならお馴染みすぎる、正しく伝説の湘北vs山王戦。
この前後半40分を余すところなく再現。
そこに宮城を中心とした主軸のストーリー、
各キャストの立ち位置を際立たせるサブストーリーをしっかり差し込んでいくのですが、
このさじ加減が絶妙。
くどくなく、かといって説明不足でもないので原作ファンならずともストーリーに没入できます。
そして演出。
アニメーションにまだこの手法があった!
まさしく井上雄彦ここにありの手法で勝負してくるオープニング!
これには思わず立ち上がりそうになりました。(劇場なのに、)
さらに他のスポーツアニメにない、生身感の表現。
反則ギリギリのシーンやトラッシュトーク、見切り合いなどはまさに「試合」そのもの。
さらにバッシュと床の擦れる音や、体がぶつかり合う鈍い音、
声援の音量といったところまで緻密に作り込まれていて、臨場感が凄まじい。
さらにさらに、他のスポーツストーリーと一線を画すのは「疲労」の表現。
ちゃんと、キャラクターが疲弊し、プレーの精度が落ちてくるあたりには強い作家性を感じました。
劇伴も強烈!
オープニングのThe Birthday、エンディングの10-feet この実力派ロックバンドの渾身の二曲に全振り。
試合中の、進行するヒューマンストーリーとのコントラスト!
最高の二曲をありがとうとしか言えないです!
強いて言えば、
・それでも原作を読んでおいたほうがわかりよいだろうな、、、
とか
・山王側、ポジションわかりにくいなぁ、、
とか思うところはあるものの、それすら無粋。
ここは素直にぶち上がる、今年最後にふさわしい作品、珍しくリピートするかもです!!
【価点・つけるとしたら】
☆4.4です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年76本目】映画「ある男」観ました。
【解説・あらすじ】
弁護士の城戸章良(妻夫木聡)は、かつての依頼者である谷口里枝(安藤サクラ)から亡き夫・大祐(窪田正孝)の身元調査を依頼される。
離婚歴のある彼女は子供と共に戻った故郷で大祐と出会い、彼と再婚して幸せな家庭を築いていたが、大祐が不慮の事故で急死。
その法要で、疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)が遺影を見て大祐ではないと告げたことで、夫が全くの別人であることが判明したのだった。
章良は大祐と称していた男の素性を追う中、他人として生きた男への複雑な思いを募らせていく。平野啓一郎の小説を映画化。
死後に別人と判明した男の身元調査を依頼された弁護士が、他人として生きた男の真実を追う。
監督は石川慶、脚本は向井康介が担当。
主人公を妻夫木聡、彼に調査を依頼する女性を安藤サクラ、
彼女の亡き夫を窪田正孝が演じるほか、眞島秀和、仲野太賀、真木よう子、柄本明らが共演する。
【感想】
変えたかったのは過去なのか、未来なのか。
生きたかったのか、それとも死にたかったのか。
人生の視え方が変わる120分!
まずはストーリー、脚本。
原作は未読なんですが、相当練り込まれた感のある台詞回し。
なるべくムダを排し、説明ゼリフも最低限、ト書きに力点を置き、テコを利かす。
社会性の強い、神経質になってしまうシーンもきっちり描写。
差別や偏見という根源的命題に真正面から切り込む姿勢。
映画を信じメッセージを発信する、その心意気を強く感じました。
そして演出、俳優陣。
一見サスペンスの型を借りつつも、主題はそこにあらず。
あくまでも人間ドラマに主眼を置き、謎解きに走らない点は実に上手い。
俳優陣もどれもこれもハマり役。
安藤サクラの母性。
窪田正孝の芯のある優しさ。
妻夫木聡の葛藤。
料理に例えるならいずれもギリギリの火の通し加減!
柄本明の怪物ぶり。
真木よう子の色香。
そして何より
仲野太賀と清野菜名。
実直すぎる二人の関係性は間違いなく今作の主題の一つ。
更に子役陣の深み、サイドストーリーを固める俳優陣の豪華さは群を抜いています。
さてさて。
仮に取り替え可能な人生がああったとしても、時間だけは不可逆で、過去には戻れない。
完全な上書きなどありえず、いつだって人は大切な思い出を糧に前へ、前へと向かっていく。
だからこそ今を確かに生きることが大切。
だからこそ目の前の人を愛することが大切。
オフビートで灰色が基調の映画ではありましたが、様々な形の愛が詰まった映画であったと思います。
【価点・つけるとしたら】
☆4.1です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年75本目】映画「モガディシュ・脱出までの14日間」観ました。
【解説・あらすじ】
1990年、韓国は国連への加盟を目指して多数の投票権があるアフリカ諸国に対しロビー活動を行っていた。
ソマリアの首都モガディシュの韓国大使ハン(キム・ユンソク)は、
ソマリア政府上層部の支持を取り付けようと飛び回るが、北朝鮮も同様に国連加盟を画策していた。
両国間の妨害工作や情報操作が激化する中、ソマリア内戦が勃発する。実話を基に、ソマリア内戦に巻き込まれた人々の脱出劇を描く人間ドラマ。
互いに反目し合っていた韓国と北朝鮮の大使館員たちが、戦禍から命がけで逃れようとする。
メガホンを取るのはリュ・スンワン監督。
キム・ユンソク、ホ・ジュノ、チョ・インソンをはじめ、
ク・ギョファン、キム・ソジン、チョン・マンシクらが出演する。
【感想】
極限状態で、人が選ぶのは国家か命か。
凄まじい質量で挑む、実話ベースのシリアス・アクションの傑作!
まずストーリー。
異国で繰り広げられる韓国と北朝鮮の厳しい情報戦。
ソマリア紛争という90年代北アフリカでの悲劇。
このニ軸を詳細に描写。
それでいて単なる社会派映画の枠に収めない、しっかりと人間を映し出す。
難しく、馴染みのないテーマをここまでエンターテイメントに持ってくる力量は、
さすが、韓国映画としか言いようのない深みのある脚本でした。
そして演出や演技。
まず緊張と緩和の入れ方が絶妙。
さらにCGなどに頼らないカーチェイスは当時の時代感を感じさせるのに的確。
映像としては骨太感があるのに、細やかに人物に迫っていくので、まるで現場にいる当事者のような意識にもさせられます。
子供の描写が多いのですが、どれもこれも胸に詰まる。
監督の強いメッセージも心に残りました。
その上、演技は韓国俳優陣の主戦級揃い。
演出、ストーリー、設定を余すところなく演じきる。
これもさすがとしか言いようがないです。
細かな点ですが、、
・もう少しソマリア側の背景に触れたほうがわかり良い。尺的にはその余裕があったように感じます。
・最後の最後、もうひと演出、クサイぐらいのエモーションを入れても納得できた。
のではないでしょうか。
さてさて。
いつも思うのです。
戦争はいつ始まっていつ終わるのか。
何故存在して、何故無くならないのか。
だれが一番得をして、だれが被害者になってしまうのか。
この映画の中で、描かれているもの。
全てではないかもしれませんが、それらの解決法が確かにあったように思います。
僕らはもっと「人のみが武器を取り、人のみが争う」ことに自覚出来であるべきだ。
そう感じさせてくれる、大きな作品でした。
【価点・つけるとしたら】
☆4.2です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年72本目】映画「Coda あいのうた」観ました。
【解説・あらすじ】
とある海辺の町。
耳の不自由な家族の中で唯一耳が聞こえる女子高生のルビー(エミリア・ジョーンズ)は、
幼少期からさまざまな場面で家族のコミュニケーションを手助けし、家業の漁業も毎日手伝っていた。
新学期、彼女はひそかに憧れる同級生のマイルズと同じ合唱クラブに入り、顧問の教師から歌の才能を見いだされる。
名門音楽大学の受験を勧められるルビーだったが、彼女の歌声が聞こえない両親から反対されてしまう。
ルビーは夢を追うよりも家族を支えることを決めるが、あるとき父が思いがけず娘の才能に気付く。耳の不自由な家族の中で唯一耳が聞こえる少女が歌の才能を認められたことをきっかけに、夢と現実のはざまで葛藤するドラマ。
シアン・ヘダーが監督・脚本を務めた。
主人公をエミリア・ジョーンズが演じ、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、マーリー・マトリンらが共演。
サンダンス映画祭で観客賞など4冠に輝いた。
【感想】
これは震える!これは涙が溢れる!!
感動という言葉の意味を今一度噛みしめる力作!
まずストーリー、脚本。
いわゆるハンディキャップ物の苦しい、息の詰まるストーリーと思いきや。
「生活」にフォーカスを当て、しっかり土地に足をつけて生きてゆく、力強さを縦軸に。
「孤立感」、社会の中の家族、家族の中の自分という二重構造、その心細さを横軸に。
重層的に織りなすストーリー構成は新規性に富み、まだこの手があったのかと感嘆しました。
次に演出、演技。
まず、キャストの演技が絶妙。
主人公、ルビーのかけがえのない日々は、青春と呼ぶにふさわしく。
瑞々しい、以外の言葉が見つからない。
脇を固めるキャストも確かな人選。
感情表現豊かな家族の風景はより家族らしく。
恋人との関係性はより恋人らしく。
先生と生徒の関係はより師弟らしく。
「信頼」が人を紡いでいく、その一点にかけた演出は好感度が高すぎ。
しいて、ほんとうにミクロな部分をくさすなら、
・歌声のシーンはもっと音圧を上げても良かった。
・抑えた演出、ではあるが、もっと大げさでも良いシーンが有った。
ぐらい。
さてさて。
いつか来る、親離れ、子離れ。
それは果たして別れなのか。
あの、発表会の父親の「表情」。
あの、旅立ちの日の母の「言葉」。
自分の旅立ちの日を思い出したとき、
我が子のその日を思い返したとき、
自立の言葉の意味とともにこの映画をきっと思い出す。
とても特別な一本になったと思います。
【価点・つけるとしたら】
☆4.2です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年69本目】映画「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」観ました。
【解説・あらすじ】
とある広告代理店に勤める吉川朱海(円井わん)は、大手広告代理店へ転職することを決めているが、
プライベートも後回しになるほど仕事に追われていた。
ある月曜日の朝、彼女は後輩二人組から「僕たち、同じ1週間を繰り返しています!」と言われ、
やがてほかの社員たちもタイムループの中に閉じ込められていることを確信する。
しかし、脱出の鍵を握る永久部長(マキタスポーツ)はそのことに気付く気配がない。
社員たちのさまざまな思いが交錯する中、彼らはチームプレーで異常事態からの脱出を目指す。とあるオフィスを舞台に、社員全員が同じ1週間を繰り返すことになるドラマ。
謎のタイムループに巻き込まれた社員たちを巡るストーリーが展開する。
『14歳の栞』などの竹林亮がメガホンを取り、夏生さえりが共同で脚本を担当。
主人公を円井わん、タイムループに気付かない上司をマキタスポーツが演じるほか、
長村航希、三河悠冴、八木光太郎、高野春樹らが出演する。
【感想】
会社という名の小さな戦場で、踏ん張り、頑張り、花開く!
不覚にも感動系の王道コメディー!
まず脚本、ストーリー。
タイトルで「すべて」を一気に表現しちゃってるのですが。。
それでもタイムループの構造に破錠はないし、臨場感やリアルさ、後半に向けての加速と全く申し分なし。
キャストそれぞれの役割分担を明確にしている点やお話自体を二重構造にした点も、
見慣れてるはずの「タイムリープ」をさらに一段新しいものに感じさせています。
この点、大変好感度、高し!
そしてキャスト、演出だったり演技だったり。
マキタスポーツさん以外は知らない、ように見えて、実はなかなかのキャスティング。
日本映画、演劇界にしっかり爪痕を残してきた、地味かもしてないけど適材適所とはまさにこのこと。
ごく限られた人数しか出演していない。
場面転換も殆どない。
それでも飽きずにずっと観ていられるのは彼らの確かな演技力によるもの。
演出上のミソはやはり細かなギミック。
オープニングから最後でしっかり惹かれた伏線は、わかっていても楽しかったです。
また、後半に持ち込まれるマキタスポーツ演じる上司の秘密。
この劇中作品のクオリティ、示唆に富む内容も必見!
気になった点は
・86分。少し短い。あと10分加えて前半をもっと引っ張っても良い。
・同時に主人公の転職エピソードと葛藤が弱く感じる。
ぐらいでしょうか。
さて、今回の設定、ある広告代理店事務所は今どきマジか、、というような労働環境。
それでも皆、必死に仕事に食らいついている。
正直それが正しいこととは思えないのだけれど、たしかにそんな時期を乗り越えても来たように思う。
やりたい仕事だったのだろうか。
叶えたい他の夢なんてあったのだろうか。
過去の自分は今の自分をみて、どう思うだろうか。
働くことの尊さを今一度再確認させてくれる、なかなかの力作だったと思います。
【価点・つけるとしたら】
☆4.0です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年68本目】映画「すずめの戸締まり」観ました。
【解説・あらすじ】
九州の静かな町で生活している17歳の岩戸鈴芽は、”扉”を探しているという青年、宗像草太に出会う。
草太の後を追って山中の廃虚にたどり着いた鈴芽は、そこにあった古い扉に手を伸ばす。
やがて、日本各地で扉が開き始めるが、それらの扉は向こう側から災いをもたらすのだという。
鈴芽は、災いの元となる扉を閉めるために旅立つ。新海誠監督が、“災いの元となる扉”を閉めるために旅をする少女の姿を描いたアニメーション。
九州の田舎に暮らす女子高校生が扉を探す不思議な青年と出会い、
災いをもたらす扉を閉めるために日本各地の廃虚へおもむく。
少女の声をオーディションで選ばれた原菜乃華、
災いを招く扉を閉める“閉じ師”の青年の声を松村北斗が担当する。
【感想】
新海誠監督の作家性がぎっちり詰まった、覚悟を感じる作品!
まず脚本、ストーリー。
大災害を大枠に家族のストーリーをしっかりと走らせる手法はまさに新海誠の真骨頂。
目を覆うようなシーンとほっこりとしたシーンの対比、緩急のメリハリも効いていて、推進力強めの設計です。
ロードムービー仕立てにしたのも上手い作りに感じました。
次に演出や演技、作画など。
風景、とくに水の描写は相変わらずの美しさ。
今回はさらに空、特に星空の描写がグレードアップ。
これだけで観客をしっかりグリップできるところはやはりさすが。
セリフとモノローグの使い分けも巧み。
声の演技、俳優陣の奮闘も光ります。
RAD控えめなところも効果的でした。
ちょっと気になったところは
・災害描写、これは耐えられない人には耐えられない。多少ネタバレでもチケットを買う前にアナウンスが欲しい。
・劇伴の懐メロ要素はあそこまで入らなく感じる。
・要所要所、説明が省かれていてちょっと雑。
・ファンタジー要素が飲み込みにくい。
・都合よくいろんなものが現れ、使える。。。
等々、割と多め。
多めなんですが。
それでもなお、今、この時期に、このテーマ。
あの大災害を風化させてなるものかという強い覚悟。
この身近な社会問題、家族の有り様を世の中にもっと出していくのだという信念。
ビッグバジェットを余すとこなく活かした点において、気になる点は大きく霞む。
こんなに踏み込んだ映画にはやはり拍手を送りたい。
より多くの人に観てもらいたい作品だったと思います。
【価点・つけるとしたら】
☆4.0です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年68本目】映画「窓辺にて」観ました。
【解説・あらすじ】
フリーライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は、編集者の妻・紗衣が売れっ子小説家と浮気していることを知りながら、妻にそれを指摘できずにいた。
それだけでなく、彼は浮気を知ったときに芽生えた自身の感情についても悩んでいた。
ある日、文学賞を受賞した女子高校生作家・久保留亜の小説に心を動かされた茂巳は、留亜に小説のモデルについて尋ねる。稲垣吾郎が主演を務め、好きという感情について描いたラブストーリー。
妻の浮気を知りながら何も言い出せないフリーライターが、自身に芽生えたある感情に悩む。
監督は今泉力哉が務め、本作のために脚本も書き下ろした。
【感想】
今泉力哉の研ぎ澄まされた映画文法が観客を独特の「映画体験」に誘う。
今どき珍しくなってしまったオリジナル脚本による力作!
まず、脚本、構成。
夫婦の形をモチーフにしたコミニュケーションの問題。
その理解しがたさ、面倒臭さを否定も肯定もせず、ありのままに取り出す手法。
これはシンプルだからこそ、の高難易度。
よくチャレンジしているし、成功もしていると感じました。
そして演出。
愛情の深さや広さ、その業の深さをキャストの数をしっかり絞りってテーマを浮き彫りに。
少ないセリフや無言の表現、窓辺での光のシーン、ギリギリまで削ぎ落とした劇伴で物語を加速させ。
最近の映画にしては長い尺(140分)を十分に活かして、余白を作っていく。
感情の起伏を大きくつけず、日常を切り取ったかの手法。
ありがちなのですが今泉監督の手にかかるとじわじわ胸の奥にしみる。
またいわゆる「消え物」、今作ではパフェとかにも大きな意味を持たせているのですが、
象徴的すぎないように工夫もされていて、これもまた今泉イズムを感じました。
俳優陣で特筆に感じたのはやはり若葉竜也さん。
今泉ファミリー、ですが毎回違う側面をしっかり表現してくるところはさすが。
中村ゆりさんは昔からファンなのですが、抑えた演技は円熟のラインに入ってきたように感じます。
惜しいと思ったところは次の2点。
・稲垣さんはもっとやれた。もっと作品にダイブさせても良かった。
・全体のトーンにあってない俳優さんがちらほらいた。
人の感情は複雑とも言えるし、意外なほどシンプルとも言える。
行動は思ったより直落的ともいえるし、思考の深みが足を止めることもある。
いずれにしてもコミュニケーション、互いに手をつなぐことはそれほど容易いことではない。
だからこそ人は、僕は、求めてやまないのだなという解答が詰まった作品。
正直、
恋人同士も熟年夫婦も一緒に見ることは全くおすすめしませんが、
別々に観に行く分には、これは大変オススメです!
【価点・つけるとしたら】
☆4.0です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年66本目】映画「アフター・ヤン」観ました。
【解説・あらすじ】
人型ロボットが一般家庭に普及した近未来。茶葉の販売店を経営するジェイク(コリン・ファレル)は、
妻のカイラ、中国系の養女ミカ、ロボットのヤンと共に暮らしていた。
だが、ある日ヤンが故障して突然動かなくなってしまう。
何とか彼を修理しようとする中で、ジェイクはヤンの体内に定期的に数秒間の動画を記録する特殊なパーツが組み込まれていることを知る。アレクサンダー・ワインスタインの短編「Saying Goodbye to Yang」を原作に描くSFドラマ。
近未来を舞台に、ある家族と人型ロボットの絆を描く。
コゴナダが監督を務め、坂本龍一がオリジナルテーマ曲を手掛けている。
コリン・ファレルをはじめ、ジョディ・ターナー=スミス、ジャスティン・H・ミン、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤらが出演する。
【感想】
美しい情景と、内包される自然。
言葉にできない言葉を、目線と光で紡ぐ、優しさを詰め込んだサプリメントムービー。
まず脚本などなど。
主題に余白をたっぷり取りながら、周辺をなぞるように進む、難解なストーリー。
死生観と再生、輪廻を映像化するとこんな感じなのかと新鮮さを感じました。
近未来、SFと言った要素も絶妙だったのではないでしょうか。
そして演出、演技など。
一貫しているのは監督の美意識、一つ一つの造形に対する審美眼。
セリフも最小、無駄に見えるシーンにも意味があり。
とりわけ中庭と外、人間とAIの対比には独特の感性を強く感じました。
坂本龍一の音楽も含め極めて美術的であったと言えます。
強いて言えば、
・お茶の持つ哲学的な意味合いの説明がバッサリなので、やっぱりわかりにくい。
・画作りは単調で、一体今どのシーンなのか、進行上どのあたりなのか意識がさまよう。
のは、おそらく演出上の意図なんでしょうが、やはりきつく感じました。
さてさて。
いつも感じるのは人間らしさとはなにか。
AIに置き換わらないものについて、消去法で見つけられるのか。
SFの体ではあるもののこれは歴史だったり哲学だったりといつも語られてきた命題。
ヤンの視線、その先にあった優しい世界。
僕の目にもまだ映るだろうか。
自問自答せざる得ない鑑賞体験でした。
【価点・つけるとしたら】
☆3.9です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分