こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2025年21本目】映画「教皇選挙」観ました。
【解説・あらすじ】
エドワード・ベルガー監督が、ローマ教皇選挙の舞台裏と内幕に迫ったミステリー。
全世界14億人以上の信徒を誇るキリスト教最大の教派・カトリック教会。
その最高指導者で、バチカン市国の元首であるローマ教皇が亡くなった。
新教皇を決める教皇選挙「コンクラーベ」に世界中から100人を超える候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうで極秘の投票がスタートする。
票が割れる中、水面下でさまざまな陰謀、差別、スキャンダルがうごめいていく。
選挙を執り仕切ることとなったローレンス枢機卿は、バチカンを震撼させるある秘密を知ることとなる。
ローレンス枢機卿を名優レイフ・ファインズが演じるほか、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニらが脇を固める。第
97回アカデミー賞で作品、主演男優、助演女優、脚色など計8部門でノミネートされ、脚色賞を受賞した。
【感想】
伝統が「世界」を穿つ。
精密な描写で引き込む快作!
まずストーリー。
世界一有名で、かつ謎多き選挙、コンクラーベ。
いったいどうやって取材をし、素材を集めたのか、それ自体がミステリーに感じるほどのリアリティ。
一見複雑に感じる選挙の仕組みをこの上なくわかりやすく提示する序章から、
緊迫の人間模様を緩み無くみせる投票の様子、
そして圧巻の決着まで展開は実にサスペンスフルでスピーディー。
差し込まれるエピソードも多彩。
見事に設計され尽くした脚本です。
そして演出。
まず宗教的な儀式の荘厳さをベースにしつつ、
候補者の人間臭さに大きくスポットを当てる演出。
この割り切りが話をだれさせず、どんどん加速させてゆく。
密室劇特有の息苦しさも物語の重厚感を下支え。
実に綿密な演出プランです。
また、おのおの演技も素晴らしい。
宗教人としての高潔とひとりの人間としての欲望が常に混在する難役を
それぞれがボリューム、ミキシングを変えながらの演技。
いったいどんなメソッドで??
演技合戦としても見所有りです。
惜しむらくは、前述通り「密室劇」ですので、映像が暗暗していて、
バチカンの持つ荘厳さはちょっと割り引き。
衣装の美しさが際立っているのでちょっとちぐはぐな感じもしました。
さて。
宗教、とりわけキリスト教カソリックに疎い僕でも教皇の重要性、世界一有名な人物であることは承知しており。
その選出方法コンクラーベの仕組みくらいは既知では有ったのですが、、。
これほど人間らしさがむき出しで描かれるとは、
スキャンダラスな一面にもこんなに踏み込むとも思っておらず。
先鋭化されていくそれぞれの主張、
伝統と変革、争いと安寧の輪郭の濃さはまさに現代社会の縮図。
特にラスト、その結論。
与えるインパクトは教徒ではない僕でも衝撃的。
他山の石で、どの世界観に所属していても刮目せざる得ないものだと感じました。
劇場の外の世界が今までとは違う鑑賞体験になりました。
実際にコンクラーベが行われたタイミングでもありますが、
時期にかかわらず鑑賞をお勧めできる、普遍的な作品で合ったと思います。
【評価・つけるとすれば】
4.2です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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