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アルシオン通信

Alcyon Blog

2024年10月 の投稿
2024年10月31日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年77本目】映画「ラストマイル 」観ました。

ブラックフライデー前夜の11月、ビッグイベントにより流通業界が繁忙期を迎えようとする中、
有名なショッピングサイトから配送された段ボールが爆発する事件が起きる。
さらに事件は全国へと拡大し、日本中が混乱に陥る。
巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、
チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と共に、未曽有の事態の収拾に追われる。

ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」などの演出を手掛けた塚原あゆ子監督と、脚本の野木亜紀子が再び組んだサスペンス。
大手ショッピングサイトのセンター長とチームマネージャーが、協力して連続爆破事件の解決にあたる。
満島ひかり、岡田将生らが出演している。

【感想】
復讐すべきは会社か、さらにはその先か。
強欲という罪を問いただす社会派サスペンス。

まず脚本・ストーリー。
ドラマシリーズを全く未視聴でしたが問題なし。
スピンオフ感はおまけ程度、映画そのものとして骨格がしっかりとした、硬質な脚本。
ストーリーそのものにスピード感があり、台詞もエッジが効いている。
展開も時系列もめまぐるしいのに全く混乱しない。
まずは観客を退屈させない、
必ず物語に引きずり込んでやるという野心をしっかり感じられる脚本でした。
すさまじい、、、です。

次に演出、演技。
主軸の岡田将生さん、満島ひかりさんを使い切る。
脇を実力派でしっかり固め、サイドストーリーも緻密に展開。
時々ドラマキャスト出演、少ない尺でも重要なシーンに仕上げる。
などなど、手練れとしかいいようのない演出プラン。
それぞれの役に与えられたニュアンスをきっちり演じきる俳優陣も含め、
すいません、ドラマのスピンオフなんでしょ、映画はファンサービスなんでしょと嘗めていた自分を叱責しました。

さて。
今回の強く感じたのは欲望とは何かということでした。
欲望はどこから罪になってしまうのか。
おそらくは誰かの負荷が犠牲に変わり、飽和して崩壊した、その手前あたりなのだろうとは思うのですが。

その境界線はあまりに曖昧で、スパッと引けるラインがない。

幼い子供がクリスマスにほしがる小さなぬいぐるみ。
事業が当たって夢だったフェラーリ。

この違いが僕にはわからない。

想像力を働かせすぎると何も欲しがれず、
何も考えないと罪深き闇の中。

難しいなと正直感じました。

映画そのものとしては興味深く思いつつも、
犯人の動機や行動基準には共感できない点がありました。

この境目をこれからも見つめていきたいと思いました。

【評価・つけるとすれば】
4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年10月27日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年72本目】映画「ホールド・オーバーズ」観ました。

1970年冬、アメリカ・ボストン近郊にある全寮制のバートン校。
生徒や教師たちがクリスマス休暇を家族と過ごす中、
嫌われ者の堅物教師ポール・ハナム(ポール・ジアマッティ)は複雑な家庭環境のアンガス・タリー(ドミニク・セッサ)をはじめとする家に帰れない生徒たちの子守役を任される。
一方、食堂の料理長メアリー・ラム(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)は一人息子をベトナム戦争で亡くし、かつて息子と過ごした学校で年を越そうとしていた。
それぞれに孤独を抱える3人は、2週間の休暇を過ごす中で反発し合いながらも徐々に心を通わせていく。

アレクサンダー・ペイン監督とポール・ジアマッティが組んだヒューマンドラマ。
1970年のアメリカ・ボストン近郊の寄宿学校を舞台に、ほとんどの生徒や教師たちがクリスマス休暇を家族と過ごす中、
それぞれの事情で学校に留まる3人の男女を描く。
嫌われ者の教師をポール、食堂の料理長をダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、複雑な家庭環境の生徒をドミニク・セッサが演じ、
ダヴァインがアカデミー賞助演女優賞を受賞した。

【感想】
クリスマス休暇に降り積もるのは孤独を癒やす友情だった。
誰しもが思い浮かぶ「あの頃」を見事に映し出した傑作。

まずストーリー、脚本。
「寄宿舎モノ」といえば「今を生きる」を想起してしまうし、類似的な面は拭えない、のですが。
主要テーマをベトナム戦争のという痛みを伴う時代背景を織り交ぜて描く手法は的確で明快。
基本的には会話劇なのだけれど語りすぎず、それでいて説明不足もない。
王道ストーリーなのにちゃんと新鮮味のあるウェルメイドな脚本でした。

そして演出、演技。

寄宿舎の風景や校内の様子の撮影が実に雄弁。
台詞無くとも時代背景がしっかり伝わり、演技や台詞回しのフックなっています。
俳優陣の演技もまた見事。
親子関係が上手くいかない、トラウマと供に年齢を重ねる事への焦り、子供を戦争で失った孤独な者の喪失感。
それぞれの痛みをそれぞれの存在が、まなざしが、
しっかりと支え合うようになっていく様子はまるで優しいスープの様な味わい。
雪積もる冬の情景とも相まって心温まる演出でした。

さてさて。
親との相互理解の難しさ、
痛みを抱えたまま生きる苦さ、
大切な人を失ったまま過ぎていく日々を数えるつらさ。

生きていく上でいずれも避けがたく感じます。

それでも、それが何歳であっても
生き様を考える時間はあるし、
生き方を変える時間はある。

旅のように生きるとよく言いますが、
準備をするのに年齢は関係ない。
最初の一歩が踏み出せるかどうかだ。

小さな勇気を優しく後押ししてくれる。
そんな映画だったと思います。
とてもよい映画だったと思います。

::
個人的には寄宿舎体験があるのでやっぱり感慨深いものがありました。
同窓生には皆観てもらいたい!!

【評価・つけるとすれば】
4.2です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年10月11日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年70本目】映画「ベイビーわるきゅーれ・ナイスデイズ」観ました。

高石あかりと伊澤彩織が演じる殺し屋コンビの活躍を描いたガールズアクションシリーズの第3弾。
任務のため宮崎県にやって来た二人が、同じターゲットを狙う一匹狼の殺し屋によって窮地に追い込まれる。
監督を阪元裕吾、アクション監督を園村健介が務める。

プロの殺し屋コンビである杉本ちさと(高石あかり)と深川まひろ(伊澤彩織)は、宮崎県で一つ目のミッションを終わらせ、バカンスを楽しんでいた。
ちさとはその日がまひろの誕生日であることに気付くが、次の任務のために宮崎県庁へ向かう。
しかしそこには、これまでに149人を殺害し、150人目として彼女たちと同じターゲットを狙う殺し屋がいた。

【感想】
まだまだ、まだまだ、もっといける!
ガールズアクションの頂ここにあり!

まずストーリー、脚本。
二人の絶妙に緩い会話劇の要素はそのまま。
プラス俳優陣が増え、トルクが強くなった分も力み無く加速。
宮崎でバカンスついでにミッションをする、という設定も丁度良い塩梅。
味のある嫌味も健在の詞回し含め、完成度の高いストーリー、脚本です。

次に演出、演技。
ちさまひコンビの緩急の付け方は流石の一言。
予想の遙か下を行く生活のだらだら感、予想の遙か上を行く執行のスピード。
さらにさらに池松壮亮さんの登場、ラスボス感は映画に重みをつけています。
アクションの手数、技の多彩さは「軽量級」ならでは。
瞬き不要で楽しめました。

さて。
今回は意外とアクション以外のシーンも作り込まれていて。
キャラクターそれぞれの

苦悩や孤独、
コミニケーションの難しさ、
仕事への思い

これは殺し屋以外の職業、日々にも意外と共通だなと感じさせられたりもしました。

いずれにせよ
相当に練り込まれたアクション映画。
もっと観たい!!と思えるシリーズでした。

【評価・つけるとすれば】
4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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by alcyon | 映画観た
2024年10月09日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年69本目】映画「侍タイムスリッパー」観ました。

現代にタイムスリップした武士の姿を描くSF時代劇。
落雷に打たれて現代の時代劇撮影所にタイムスリップした会津藩士が、剣の腕を生かして斬られ役で生計を立てる。
メガホンを取るのは安田淳一。
山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうののほか、峰蘭太郎、紅萬子、福田善晴らが出演する。

幕末の京都。
剣豪として鳴らす会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)は、
ある長州藩士を襲撃するように命じられて刃を交えるが、その瞬間に落雷に打たれて気を失う。
目を覚ますと、新左衛門は現代の時代劇撮影所にいた。
混乱しながら行く先々で騒動を起こし、江戸幕府が140年前に滅んだことを知ってが愕然とした新左衛門はこの時代で生きることを決意する。
自分には剣の腕しかないと、新左衛門は時代劇撮影所の門をたたき、斬られ役として身を立てていく。

【感想】
正直に死ぬか、卑屈に生きるか。
時代が時代を斬る、見事な時代劇!

まずは脚本、ストーリー。
とにもかくにも設定が絶妙!!
タイムスリップものはもう完全に使い古されていて、新しさは難しいと思っていたのですが、、。
そこにあえての時代劇設定。
古さに古さをかぶせるという手法は完全に発明。
これには感服しました。
また、過去=江戸時代と現代=時代劇が廃れゆく日々の対比を台詞の軽妙さも必見。
非常によくできた脚本、ストーリーです。

そして演出、演技。

時代劇シーンの殺陣シーンは実に練り込まれていて、観ていてハラハラするほど本格派。
カメラワークも含め、素晴らしいアクションシーンがてんこ盛りです。
さらには会話劇としてのシーンも見所多く。
少しづつ主人公が現代に溶け込んでいく様子や、
周囲の人々の優しさ溢れる台詞回し。
敢えてなんでしょうが敵役も含め悪人なし設定が生きる演出。
これもまたすばらしい発明でした。

気になったのは、一点だけ。
劇場の調整なのか、それとも原盤の問題なのかわかりませんが、
音が大きい、、。
もしかすると昔の時代劇のアテレコ風にしたかったのかも?しれませんが
これはちょっと聞きにくく、新設とは言いがいかなと思いました。

さて。
僕は会津生まれ。
実直に生きることをまるで使命のように教え込まれるお土地柄。
ならぬものはならぬ、で生きていたつもりでしたが、、、。

いつのまにか

嘘もつくし、
裏もかくし、
手も抜くし、
悪口も言う。

暑ければ日陰を歩き
寒ければ他人を風よけに

とても正直だったり、実直だったりとは遠い有様。

ただ、遠いんですがそれなりに幸せな日々でもあるわけです。

難しいな、、。
生き易さを巡る問いは難しいな。
と感じる次第。

実直さを見失うほどに廃れた気持ちに、
いやいやすてたもんじゃ無いと感じさせてくれる、
現代を優しく斬った時代劇。

映画愛、人間愛に溢れた今年の代表作だと思います。

【評価・つけるとすれば】
4.4です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た

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