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アルシオン通信

Alcyon Blog

2023年12月29日 の投稿
2023年12月29日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2023年90本目】映画「パーフェクトデイズ」観ました。

【解説・あらすじ】
ヴィム・ヴェンダース監督と役所広司が組んだヒューマンドラマ。
東京・渋谷の公衆トイレ清掃員の何げない日常を映し出す。
柄本時生のほか、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和らがキャストに名を連ねる。
第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された。

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)は、変化に乏しいながらも充実した日々を送っていた。
同じような日々を繰り返すだけのように見えるものの、彼にとっては毎日が新鮮で小さな喜びに満ちている。
古本の文庫を読むことと、フィルムカメラで木々を撮影するのが趣味の平山は、いつも小さなカメラを持ち歩いていた。

【感想】
This is Wim Venders!!!! The best of Yakusho Kouji!!!

まずストーリー。
規則正しく、静謐に生きる一人の男性を軸に、少しづつ少しづつ多様な人間模様を織り込んでいく構成。
多弁にならず、情報少なめに抑え、あくまでもオフビート。
静かに深く、味わい深い、ビンテージのワインのような口当たりです。

そして演出、演技。
まず驚くのはその圧倒的な清廉さ。
トイレが舞台だったり、町並みや住まいが古いのに、臭みのない、埃のない映像美。
この土台に日本を代表する俳優陣が骨格を作り、血肉を通わせていく。

狂言回し的に話に躍動感を与えていく若手。
トルクの効いた重厚感を物語に加えていくベテラン陣。
彩りとはまさにこのことと感じました。

何より、おそらくは今作がキャリアベストの演技、役所広司さん。
正直多作すぎて、役を選ばなすぎる、、、、と感じ、薄い演技もするとすら思っていたのですが、
今作では俳優としての技術、間の取り方だったり、表情だったりが際立つ演技。
特にラストは必見、まったくどんなメソッドなのか、あれはすごすぎる、、。
とにもかくにも僕が見た中ではベストオブベスト。
世界的名監督がこの演技に賭けてきたのが当然に思える仕上がりでした。

さて。

決まった時間に目を覚まし、
身支度を調え。
仕事に勤しみ、
休暇の喜びを噛みしめる。

そんな平凡な日常のなかで僕らは
小さな変化に翻弄され、
すくなからず悩み、
抱えきれない喜怒哀楽を無理矢理飲み込んでいたりする。

パーフェクトな「日々」なんてどこにもないが、
パーフェクトじゃない「日々」もどこにもない。

「日々」はこんなにも愛おしい。

矛盾しているけれどそんな気持ちになりました。

2023年の最後に今年を代表する作品に出会えたと感じます。
ありがとう、ヴィム、thank you kouji!!

【評価・つけるとすれば】
4.5です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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