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アルシオン通信

Alcyon Blog

2024年04月 の投稿
2024年04月25日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年19本目】映画「パストライブス/再会」観ました。

離れ離れになっていた幼なじみの男女が、24年間のすれ違いを経てニューヨークで再会を果たすドラマ。
監督はセリーヌ・ソン。
グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロらが出演する。
ベルリン国際映画祭やゴールデン・グローブ賞などにノミネートされた。

ソウルに暮らす12歳のノラとヘソンはお互いに惹かれ合っていたが、ノラが海外に移住したことで離れ離れになる。
12年後、ニューヨークとソウルでそれぞれの道を歩んでいた二人は、
オンライン上で再会してお互いへの思いが変わっていないことを確かめ合うが、すれ違いも起こしてしまう。
さらに12年が経ち、36歳になったノラ(グレタ・リー)は作家のアーサーと結婚していたが、
ヘソン(ユ・テオ)はそれを知りながらも彼女に会うためにニューヨークへ向かう。

【感想】
幾層にも重なった前世(パストライブス)の末、出会った二人。その行く末は運命なのか?

まずストーリー。
主要人物は3人。
幼なじみの男女と女性の旦那。
いつどこに地雷があるのかヒリヒリしそうなところをしっかり回避。
必要以上にしゃべらせない的確な台詞量だったり、
キーワード(「イリョン」)の際立たせ方だったり、
構成を練りに練ったことが十二分に伝わる。
素晴らしいストーリー、脚本です。

次に演出面。
まず目を引くのはニューヨークの情景の使い方、その巧みさ。
派手な画作り、しようと思えばいくらでもできたのに、
無機質さを廃し、人の温もりがしっかり伝わるような画作り。
韓国から遠く離れていること、違う生活を歩んでいることピタッと表す。
絶妙な心象描写。
ぐいぐい物語に引き込まれる映像表現です。
そして演技面。
これがまた実にいい!!
会話劇でありながら細かな手の動きなんかで、これまた細かな心情を伝えていく。
派手な感情表現はほとんどなし。
でもしっかり伝わる、深い気持ち。
三人三様、見事に自分の感情を表現しきっている。。
誰かしらに感情移入できる素晴らしいアンサンブルでした。

さて。
この映画のキーワード「イリョン」とは「運命」「摂理」と言う意味の様です。
人は運命によって導かれ出会う。

ただこの映画はそこで終わらない。

人には意志があり、自ら自分の人生を切り拓く。
摂理、運命の向こう側まで描ききったところにこの映画の意味がある。

今までいろんな人に出会い、それはたしかに運命で。
今までいろんな人と疎遠になり、それはしかし僕の意志で。
そしていろんな人とつながり合っている、これこそもまた「僕らの」意志。

甘いだけ、ほろ苦い人生じゃない。
案外、日常は豊かな味わいに満ちている。

これは名画だったんじゃないでしょうか。
おすすめして感想を語り合いたい映画でした。

【評価・つけるとすれば】
4.2です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年04月18日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年18本目】映画「レッド・シューズ」観ました。

バレリーナとしても活動して生きたジュリエット・ドハティ主演のドラマ。
姉の死にショックを受けて踊れなくなったバレエダンサーが、かつてのライバルやダンスパートナーらとの再会を通じて再起する。
監督はジェシー・エイハーンと、俳優としても活動するジョアンヌ・サミュエル。
ローレン・エスポジート、キャロリン・ボックのほか、ジョエル・バーク、プリムローズ・カーンらが出演する。

有名なバレエ学校に通うサム(ジュリエット・ドハティ)は、自身がプリマを務める「赤い靴」の公演が間近に迫る中で、姉の訃報を知る。
憧れのバレエダンサーでもあった姉の死に打ちひしがれたサムは踊れなくなり、バレエ学校を辞めて荒んだ日々を過ごす。
思わず万引きをしたサムは、辞めたバレエ学校の清掃員として社会奉仕活動をすることを命じられ、そこでかつてのライバルや、
ひそかに思いを寄せていたダンスパートナー、恩師らと再会したことで、バレエへの情熱が再び湧き上がってくる。

【感想】
これぞ王道!もうそれでいい!!

まずストーリー。
これは確実にどこかで見たことのあるような、既視感たっぷりの進行。
悪く言えばありきたりですが、青春映画として考えれば無難な王道を目指したともいえる。
評価が分かれるでしょうが、僕は嫌いじゃない(*^_^*)

そして演出演技。
何しろバレエシーンの密度が濃い。
踊りっぷりのリアル感、床のきしみ音まで聞こえてくるかのよう。
これだけでも十二分に観る価値あり。
バレエ映画の本質、撮るべきところをしっかり捉えてています。

さて。

一つのことを大人数で完遂する事の難しさはバレエだけじゃなく。
感情の出し方や我慢のしどころはどんな事柄であろうと誰もが悩む。
リーダーは人気者なだけではその役割を完遂できない。
譲り合ってばかりいても何も起きない。

皆が皆を支えていく。
だからバレエは”company”,なのだと改めて認識することができました。
王道だから気づけた良さがあったと思います。

【評価・つけるとすれば】
3.8です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年04月10日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年17本目】映画「ゴールド・ボーイ」観ました。

中国の作家・紫金陳の小説を、沖縄に舞台を移して実写化したクライムサスペンス。
実業家の義父母をがけから突き落とした男と、その犯行をカメラで撮影したことから男を脅迫する少年たちの姿を描く。
メガホンを取るのは金子修介。岡田将生、羽村仁成、黒木華のほか、星乃あんな、松井玲奈、北村一輝、江口洋介らが出演する。

沖縄。実業家一家の婿養子である東昇(岡田将生)は、義父母を殺害して富と地位を奪おうと、綿密な計画を立てる。
計画通りに義父母をがけから突き落とした昇だが、その様子を13歳の安室朝陽(羽村仁成)らが偶然にもカメラで捉えていた。
朝陽は母子家庭で経済的な余裕がなく、仲間もさまざまな問題を抱えており、すべてを金で解決しようと、昇を脅迫する。
昇と朝陽らが駆け引きを繰り広げる一方で、両親の死に不審を抱く昇の妻・静(松井玲奈)は従兄弟の刑事・厳(江口洋介)に相談を持ちかける。

【感想】
サスペンスに必要なものを十二分に詰め込んで、さらに飽和。想像の上、確かに!!

まずストーリーだったり、脚本だったり。
原作は中国のサスペンス小説とのこと。
サスペンスの王道を行くスピード感、ヒントを与えすぎない絶妙な台詞の量。
伏線の貼り方、破綻のさせ方、ともに想像以上。
さらには沖縄の風土、社会性も織り交ぜる、深みの持たせ方。
超一級の脚本といえるでしょう!

さらに演出演技。
まずは岡田将生さん、もうこの役はまるで当て書きされたかのようにピタリ。
「いやな感じの色男」を演じさせたらまずは外さない、仕上がりの良さはすでに担保。
さらには子役三人、その中でも羽村仁成さん!
周りを主演級の俳優陣に囲まれながら、すべてを喰らい尽くす、台詞回しの巧みさ、表情の殺し。
完全なるライジングスター。
この発見だけでも鑑賞に意味を持たせています。

さて。
お話の本筋は語るも無粋なので避けますが、、。
気になるというか、完全に狙ったであろう冒頭の教室のシーンの音作り。
沖縄という、独特だが、間違いなく日本社会の縮図を見事にワンシーンに閉じ込めていました。
ストーリーの荒唐無稽さがまるで隣人の出来事まで引き寄せられ、畏怖を感じました。

サスペンスだけでなく、社会性も撮りきった。
血の味のするもまた考えさせるものがあった、今年を代表する傑作でした。

【評価・つけるとすれば】
4.4です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年04月04日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年16本目】映画「52ヘルツのクジラたち」観ました。

町田そのこの小説を成島出が監督を務め映画化したドラマ。
家族に虐待された過去を引きずる女性が、かつての自分と同じような環境にいる少年と交流する。
杉咲花、志尊淳、宮沢氷魚のほか、小野花梨、桑名桃李、余貴美子らが出演する。

東京から海辺の町の一軒家へ越した貴瑚(杉咲花)は、家族からの虐待を受けて声を出せなくなった、ムシ(桑名桃李)と呼ばれる少年と出会う。
自身も家族に虐待されていた過去を持つ貴瑚は、彼を放っておくことができずに一緒に暮らし始める。
貴瑚と平穏な日々を送るうちに、夢も未来もなかったムシにある願いが芽生えていく。
それをかなえようと動き出した貴瑚は、かつて虐待を受けていた自分が発していた、
声なきSOSを察知して救い出してくれた安吾(志尊淳)との日々を思い出す。

【感想】
ほろ苦さではまだ軽い、全然足りない足りない。砂をかむでも物足りないような厳しさが残る物語。

まずストーリー。

原作はしっかり読んでいて、この重くて綿密な物語をどのように作画していくのか不安があったのです。
でもそこはさすがの制作陣、重要なエッセンスをきっちりくみ取り、余分な説明を削ぎきり、成立させていく。
骨格のしっかりした、筋肉質の、物語の性質にふさわしい脚本に仕上がっています。
これは原作ファンも不安なく観てよいと感じます。

そして演出演技。

主演、杉咲花。
まずこれだけでこの作品の社会性、問題の深さ、行く末のベクトルは示される。
スクリーンの中で生活しているような凄み。
映画の外側、バックストーリーや日常感を表現させれば世代随一。
むしろ、もうはじけるような青春映画は難しく感じるほどの実存感は見応えあり、見応えしかない。。

そして、今回の再発見、志尊淳。
繊細で、か弱く、優しい演技、、。
原作のイメージとは違う、とはじめは感じたのですが、きっちりオリジナル越え。
彼にしか表現できない、強い説得力。
この役に賭けていたんだろうとはっきりわかる覚悟。
見応えあります、見応えしかないです、、。

演出もテンポよく。
台詞のつなぎによどみがなく、
主軸二人以外はキャラクター設定もシンプル。
観やすさも担保されていました。

強いて言えば何ですが、。
でもやっぱり、主軸以外のキャラ設定は平坦で深みに欠け。
行政とのやりとりもバッサリ説明で片付けるあたりは物足りなくも感じました。

さて。
珍しくネタバレですが。

ヤングケアラー、児童虐待、ネグレクト、トランスジェンダー。

どれをとっても重要な課題で、明日の自分で、人ごとでも何でもない。

それでも聞こえない。
だから救いの手が伸びず、実際救われない。

苦しくて、つらくて、一人じゃ解決できなくて、社会はいつも冷淡で。
本当は聞こえているのに、聞こえていないふりをすることで、孤平穏を守るかのような日々。

この物語の主題はクジラたち。
複数形の物語。

孤独の先にある共鳴を求める物語。

砂鉄を噛むような味、忘れずに、日常に還元したいと感じました。

【評価・つけるとすれば】
4.1です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た

アルシオンのオフィシャルブログです

kazu_R
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
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