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アルシオン通信

Alcyon Blog

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2026年03月17日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2026年03本目】映画「ブゴニア」観ました。

【解説・あらすじ】

鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、これで5度目のタッグとなるエマ・ストーンを主演に迎えて描いた誘拐サスペンス。
アリ・アスターがプロデューサーに名を連ね、2003年の韓国映画「地球を守れ!」をリメイクした。

世界的に知られた製薬会社のカリスマ経営者ミシェルが、何者かに誘拐される。
犯人は、ミシェルが地球を侵略する宇宙人だと固く信じる陰謀論者のテディと、彼を慕う従弟のドン。
2人は彼女を自宅の地下室に監禁し、地球から手を引くよう要求してくる。
ミシェルは彼らの馬鹿げた要望を一蹴し、なんとか言いくるめようとするが、互いに一歩も引かない駆け引きは二転三転する。
やがてテディの隠された過去が明らかになることで、荒唐無稽な誘拐劇は予想外の方向へと転じていく。

エマ・ストーンが髪を剃った丸坊主姿も披露し、陰謀論者に囚われたミシェル役を熱演。
彼女を宇宙人だと信じてやまない誘拐犯をジェシー・プレモンスと、オーディションで抜てきされた新星エイダン・デルビスが演じる。
2025年・第82回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。
第98回アカデミー賞では作品賞、主演女優賞ほか計4部門にノミネートされた。

【感想】
「認知」とはなにか。「信ずるモノは救われる」のか。
相変わらず常識の外側から攻めてくるランティモスの挑戦作!

まず脚本、ストーリー。
これはとても奇天烈!(褒めてます!)
一見会話劇のようではあるんですが、
全然コミュニケーションが取れていない。。
独白劇とも言える二重構造。
現代社会の抱えるシステムエラーとも言える「自認の誤謬」をきっちり落とし込んでいます。
途中から急激に跳躍する展開、ラストに向けての着地も唖然呆然、、、(褒めてます!!)
ファンには堪らないストーリーテリングと言えるでしょう。

そして演出演技。
これもまた、なんというか、、、。
そりゃアリアスターが書いてランティスモスが撮ったらこうなるわな。。
グロテスクさのなかに美を、精錬の中に醜を内在させ、観客の不安をかき立てていく。
まるでコントロールを失ったブランコのように、ワンシーンごとにギアをアップ、さらに過剰に揺さぶっていく。
弛緩させることなく展開される映像と、俳優陣のトルクの効いた演技。
合わさるとまるで行き先を失ったヌーの大群のよう。。。
監督の作家性の爆発、確かに受け止めることができます。

さて。
真実とは何か、を考えるときやはり表裏で認知バイアスを覚悟しなければならず。
今作を見ても、今までの日々を振り返ってみても、
やはり僕は、人は、「自分の信じたいことを信じる」という呪縛の中にいるように感じます。
多角的視野、多様性をどんなに謳おうと、どこかに限界があり,破綻の運命にある。
これは悲劇なのか喜劇なのか、それすらわかりませんが、
受け止めつつ謙虚に過ごす敷かないのかなとも感じました。

ちなみに「ブゴニア」とは
”「牛の死骸からミツバチが自然発生する」という俗説”
つまり生命の誕生と循環を示すコトバだそうです。

監督の相変わらずの皮肉屋ぶり、、、。
これも(褒めてます!!!)です。

【評価・つけるとすれば】
3.7です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2026年03月15日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2026年02本目】映画「レンタルファミリー」観ました。

【解説・あらすじ】

歯磨き粉のCMに出演したことをきっかけに人気俳優になったものの、いまは東京に暮らしながら細々と俳優の仕事を続けているフィリップ(ブレンダン・フレイザー)。
薄暗いマンションの自室で晩酌をするのをささやかな楽しみにする彼のもとに、「レンタル・ファミリー」の会社を経営する多田(平岳大)からある仕事の依頼が届く。
それは顧客の要望に合わせて家族のような役割に徹するというもので、フィリップは依頼を引き受ける。

ブレンダン・フレイザーらが出演のドラマ。
東京に暮らす売れない外国人俳優が、家族を「レンタル」する会社で働き、さまざまな役割に徹する中で自分を見つめ直す。
メガホンを取るのはHIKARI。
平岳大、山本真理、柄本明のほか、ゴーマン・シャノン・眞陽らが出演する。

【感想】
「演じること」とはなにか。「偽物」でしか成し得ない人間賛歌!

まずストーリー、脚本。

これはこの上なく丁寧。
構成の巧みさ、
プロットの緻密さと回収の的確さ、
台詞割りのリズム感と文句なし。
「嘘を嘘で隠す」は王道過すぎて、
その結末は予測の範囲内なのにもかかわらず、
十分に引き込まれるのは脚本作りに相当な肝の座り方。
すさまじい覚悟を感じるました。

そして演出演技。

まず演出としての「東京」の設定,撮り方がすばらしい。
都市イメージとしての「大都会」、人間関係の希薄さを敢えての逆取り。
人々が交差する「街」として捉えることで画面が呼吸し、営みが息吹く。
これだけで相当な白眉。

さらには俳優陣。
演じることを演じる、つまりは俳優役はいつの時代、どんな名優にも難局なのに変わりはなく。
さらに今作では英語と日本語が行き交う設定。
言葉の違いで文化の差を表現する、絶句の高難易度、、。
それでも全員が真っ正面から役に挑み、さらには役の中の役に立ち向かい、しっかりと乗り越える。
これもまたすさまじいとしか言えない出来映えでした。

さて。

生きていく上で真っ正直一本は本当につらく。
また真実だけでは他者を傷つけてしまうことすらあり。
そうしてなんとか過剰ではない程度の嘘、偽りをいつの間にか身につける。
それを大人になる、なんて言ってみたりもしてしまう。

それでも思うのです。

嘘は嘘なんだろうか、
偽りは偽りなんだろうか。

背反する問いの中にいつも「本当」は内在していて、
同時に僕たちはそこに「優しさ」だったり「思いやり」だったりを探し当ててしまう。

正直さに疲れ、息苦しくなったとき、緩めること。
つまりは「演じる」ことは罪悪感を伴うが、赦してかまわない。

今作の鑑賞後、そんな気持ちになりました。
何かに惑うとき、また鑑賞することになるであろう良作でした。

【評価・つけるとすれば】
4.5です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2026年03月02日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2026年01本目】映画「Black Box Diaries」観ました。

【解説・あらすじ】

映像ジャーナリストの伊藤詩織が長編初監督を務め、自身の受けた性暴力について調査に乗りだす姿を記録したドキュメンタリー。

2017年に伊藤監督が元テレビ局員の記者からの性的暴行被害を訴えた記者会見の直後から、延べ8年をかけて製作。
スマートフォンに残していた当時の思いなどをもとに構成し、日本社会が抱える数々の問題を浮き彫りにしていく。
映画製作会社スターサンズが製作を手がけ、イギリス・アメリカとの共同製作により完成させた。

サンダンス映画祭の国際長編ドキュメンタリーコンペティション部門への出品をはじめ、世界各地の50以上の映画祭で上映され18の賞を受賞。
ドキュメンタリー界のアカデミー賞と言われるIDAドキュメンタリー賞にて新人監督賞を受賞した。
2025年・第97回アカデミー賞で、日本人監督として初めて長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。
日本では、当事者から指摘を受けたところなど一部表現を修正したバージョンの「日本公開版」として劇場公開。

【感想】
細い針で野獣と戦うような、無謀でギリギリの戦いを描く。
映画だからこそ成し得た力作!

まず構成などについて。
ドキュメンタリーですので既に知っている内容になるのは必然。
そのなかでリズムを作り、
事件そのものと伊藤詩織さんの人間性を同時に追っていく手法はまさにドキュメンタリーの文法通り。
細かな小道具?や風景の差し込みも含め工夫も十分、上手にできています。

そして内容。
これは賛否が有るのは承知していますが、
当事者性を十分に活かした事件への切り込みは相当の、それこそ命がけの覚悟があってのもの。
木で鼻をくくったような論評は到底できない迫力がありました。

気になったのは、
「これは本当にドキュメンタリーで撮るべきだったのか?」
というそもそもな点。
これだけの問題、事件に取り組む以上、
重点の置き方は変わっても良かったし、多少のバイアスは仕方なく。
むしろ本人に俳優をあてて所謂【映画=物語】にしてしまった方が一般化、
多くの人に強く深く伝わったのでは?と感じるものでもありました。

さて。
性暴力が許せないのは本当に本当に当たり前。
今回の件ではさらに権力構造の闇がその暴力を支えている。
これも許せないのは当然すぎるコトだと考えます。

一方で、誹謗中傷も絶えなかった事案として記憶に残ることも確か。
映画公開までの過程を追うと無力感も感じざるえないものでした。

それでもです。
正義は貫くべきだし、悪はひれ伏すべき。
ときに無謀に見えようが、
さらには有名であることのリスクを追う姿を見ることになろうが、
ゆめゆめ二次的な事件を起こしてはならない。

ドキュメンタリーの危うさを感じる今作ではありますが、
必見だったと感じます。

【評価・つけるとすれば】
4.1です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
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☆4・・・・是非オススメ!
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2025年12月14日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年69本目】映画「平場の月」観ました。

【解説・あらすじ】

妻と離婚後に地元へ戻り、印刷会社に再就職して平穏に暮らす青砥健将(堺雅人)は、あるとき中学時代の初恋相手だった須藤葉子(井川遥)と再会する。
彼女は夫との死別などつらい過去を抱えながらも、今はパートで生計を立てているという。
互いに独り身となり、さまざまな人生経験を重ねてきた二人は、
離れていた時間を取り戻すかのように過ごすうちに、再び惹かれ合うようになっていく。

山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみの恋愛小説を実写映画化。
中学時代の初恋の相手同士である男女が年月を経て再会し、心を通わせていく。
土井裕泰が監督、向井康介が脚本を担当。
主人公を堺雅人、彼の初恋相手を井川遥、主人公の同級生を大森南朋が演じるほか、
中村ゆり、でんでん、吉瀬美智子、坂元愛登、一色香澄らが出演する。

【感想】
最初の恋、最後の恋。
その行方を丁寧に描いた今年を代表する恋愛映画。

まずストーリー、脚本。
原作は既読で、割としみじみした展開のお話なので、まさか映画化されるとは思っていませんでした。
そこは流石の向井脚本。
しっかりと原作と向き合い、読み解き、物語を再構築し、台詞を紡ぐ。
小説で表現されているモノを削ることなく肉付けしていく。
ややこしく感じていた時系列の整理や過去のいきさつといった背景の説明の質量感もお見事。
没入感を十分に感じれるストーリーテリングです。

そして演出、演技。
まずなんと言っても堺雅人さん、井川遥さん。
互いの感情を少しずつ染み出させ、一つの色として溶け合わしていくような表現。
どんな演技プランで臨んだのか、ちょっと見たことのないトーンで引き込まれました。
そして二人の中学生時代を演じた坂元愛登、一色香澄さん。
どこまでもまっすぐ、これほどにも瑞々しい。
見事に二人の若き日々を演じきっていてこれもまた必見です。

演出のトーンも極めて日常的。
浮き立つような気持ちをしっかりと実存化させる手法、
その分キャスト全員の感情がしっかり伝わる設計。
観客の刺さりどころを熟知した作画だったと思います。

さて。
誰にでも訪れる恋のはじまり、そしてその終わり。
初恋だからといって必ずしも甘いわけではなく。
ほろ苦さを越えた、途方もない苦しさも時に携える事もあるのでしょう。
翻って今作、
本当のラストシーンは思い出の中でも、現実の事象でもなく、
「この後」に合ったように思います。

大切な人を大切に思う。
当たり前のことをしっかりと伝えてくれる作品でした。

【評価・つけるとすれば】
4.2です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
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by alcyon | 映画観た
2025年12月12日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年68本目】映画「ナイトフラワー」観ました。

【解説・あらすじ】

借金取りから逃れ、二人の子供たちと共に東京へやって来た永島夏希(北川景子)。
休みなく働きながらも困窮した生活を送る中でドラッグの密売現場に出くわし、稼ぎを増やすためにドラッグの売人になろうとする。
そんな彼女の前に孤独な格闘家・芳井多摩恵(森田望智)が現れ、夜の街のルールを知らない夏希を見かねてボディーガードになることを申し出る。
二人で手を組み、ドラッグの密売で稼いでいくが、ある出来事をきっかけに彼女たちの運命が狂いだす。

内田英治がメガホンを取ったヒューマンサスペンス。
二人の子供を抱えながら困窮した生活を送る母親が、ドラッグの売人になることを決意する。
主人公を北川景子、ボディーガードとして彼女を支える格闘家を森田望智が演じ、
佐久間大介、渋谷龍太のほか、渋川清彦、池内博之、田中麗奈、光石研らが共演する。

【感想】
ただ生きていくこと、その過酷さを社会の暗闇から映しだす問題作!

まず脚本、ストーリー。
構成がとても緻密。
幾重にも張り巡らされた伏線とその回収は実に鮮やか。
倫理観の決壊から先の描写が特に秀逸でラストにかけての安全管理意識の崩壊は完璧な描写。
ラストシーン、これは評価が分かれているようですが僕は広く深く広がる暗闇を感じました。

そして演出演技。
北川景子さんの冒頭「深夜高速」の熱唱からもう圧巻!
それこそ「落ちてゆく」、簡単ではない役柄を見事に体現していたと思います。
森田望智さんの精密かつストイックに作り込まれた肉体表現。
渋谷龍太さんの静かな凶暴性。
キャスト全員がうちに秘めた狂気を夜の闇に溶け込ませていく、すさまじい職人芸。
演出も夜も昼も薄暗さを残し、それでいてメリハリも感じる絶妙さ。
内田英二監督の執念を十分に感じ取ることができます。

さて。
正直「普通に暮らしていれば」、感じることなどないであろう闇の世界。
それでもなお押し迫ってくるこの漆黒の実存感。
それは日々の中で、社会との接点が不安定になり、揺らぐ感覚をきっと僕も共有しているから。
明日は我が身とまでは思いませんが、
世の中は幸福な人だけで構成されているわけではなく、
不幸はいつも必要以上に追ってきていると感じさせられる作品でした。

【評価・つけるとすれば】
4.1です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
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by alcyon | 映画観た
2025年11月18日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年65本目】映画「爆弾」観ました。

【解説・あらすじ】

酔った勢いで自販機と店員に暴行を働いた中年男(佐藤二朗)が、警察に連行される。
男はスズキタゴサクを名乗り、霊感を持っていると称して都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。
半信半疑で話を聞いていた刑事の類家(山田裕貴)だったが、
実際に爆発が起こり、さらに男はこの後3回の爆発が起こると予見する。

呉勝浩の小説を実写化したミステリー。
霊感を持つと称して都内に仕掛けられた爆弾の爆発を予告する男と、爆弾のありかを聞き出そうとする刑事たちの攻防を描く。
監督は永井聡。
山田裕貴、伊藤沙莉、染谷将太のほか、夏川結衣、渡部篤郎、佐藤二朗らが出演する。

【感想】
これぞ小説映画化の最高峰!

まずストーリー、脚本。
これはもう圧巻!
原作は既読でかつ素晴らしく面白かったのです。
クオリティの高さ、つまりは映像化にはハードルが高いと思っていましたので
いかに最小限の希釈で済ますか、もしくはどうやってダウンサイジングするのかと構えて鑑賞したのですが、、。
これらは全くの杞憂。
小説のボリューム感、台詞の粒立ちを見事に再現しています。
さらには文章ベースではわかりにくかった心理描写、構図の変化などまでも書き切っています。
そぎ落とすのではなく肉付けする、この難易度高いミッションを見事に越えて見せた見事すぎる脚本です。

そして演出演技。

まず間違いないのはこれがベストオブ佐藤二朗!
過去作を追ってみてもおそらくはこういうシリアスな役どころの方が上手いのは知ってはいたのですが、
ちょっと想像以上、、、。
この作品をもって「何でもできる達者な俳優」から「何でもできる名俳優」に完全変化。
間違いなく今年の邦画の最高峰の演技、これだけでも必見。

なんですが。

俳優陣の演技合戦、佐藤さん以外もすさまじすぎる緊張感。
山田裕貴さんは主役の圧に負けてないし、
伊藤沙莉さんも短いシーンでしっかりと存在感を示す。
染谷さんの葛藤、
渡部篤郎さんの枯れた演技。
各々が役を生きている、バックグランドまで感じさせる深み。
これもまた今年度方が最高峰のアンサンブルです。

さて。
今作は大枠で言ってしまえば密室劇場型のテロゲーム。
現実的にはあり得ないでしょう。
ですが、考えれば考えるほど、
ホントに非現実的かなと薄暗い不安感を覚えます。

僕、僕らはいつも聴衆。
主体的にかかわっていないふりをして安心しているけれど、
それでいて自分の物語の中ではいつだって主役。
それが反転していることも気づかずに、無自覚に日々過ごしている。
ひとたび事起これば十把一絡げの市井の人として数に数えられてしまう。

一言で言ってしまえば危機意識の低さなんですがレベルの設定がわからないのがどうにも不安。
その間隙を見事に突く、いや貫いて、木っ端みじんに破壊していく「爆弾」

見事な作品、圧倒的な137分。
これはおすすめです!!!

【評価・つけるとすれば】
4.5です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
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by alcyon | 映画観た
2025年11月11日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年64本目】映画「見はらし世代」観ました。

【解説・あらすじ】

再開発が進む東京・渋谷。
胡蝶蘭を配送している運転手の蓮(黒崎煌代)は、幼いころに母親の由美子(井川遥)を亡くし、
ランドスケープデザイナーの父親・初(遠藤憲一)とは疎遠になっていた。
ある日、蓮は配達中に父親と再会する。
姉の恵美(木竜麻生)にそれを話すが、彼女は興味を示さず、自分の結婚の準備に夢中だった。
蓮は家族との距離について考え始める。

東京・渋谷を舞台に幼いころに母親を亡くした青年と父親の関係を黒崎煌代主演で描いたドラマ。
胡蝶蘭を配送する仕事をしている主人公が、疎遠になっていた父親と再会する。
監督は団塚唯我。
主人公の父親を遠藤憲一が演じ、ほかに木竜麻生や菊池亜希子、井川遥などが出演する。

【感想】
若き才能、開花。日本映画の新基準!

まずストーリー、脚本。
所謂「家族」モノ、その崩壊と再生の物語と思いきや。
フレームをずらしながら家族と街、その変容を捉える展開。
伏線の貼り方、回収の的確さもさることながら急激に加速するストーリーは想像以上に緻密。
論理と感覚のバランスにも才気を感じました。

次に演出演技。
特に感じたのは「撮り方」
人物をまるで風景のように、風景をまるで人物のように。
遠景を近く、近景を遠く感じさせるような作画が新鮮。
人物の台詞割りも徹底していて、混雑なく、それでいてちゃんと余白のある演出も効果的。
お話そのものの核心にきっちり誘う、これまた上手い。。。
役者陣も外しのない座組。
遠藤憲一さん、井川遥さんというベテランと黒崎煌代さん、木竜麻生さんといったライジングスターの組み合わせは象徴的。
各々が役に入り込み演じきる様には緊張感も十二分。
特に遠藤さん、僕の観た作品の中ではベストアクト。
これだけでも鑑賞の価値があると思います。

さて。

何かを失うことと得ることは本当に表裏一体で。
後悔はやはりいつだって先に立たず、
やり直しはどうしたってできないことの方が多い。

ままならぬ日々にいらだち、
苦悶に眉間をゆがめようとも日常は進み、
街は、社会は変容してゆく。

いったい自分は進んでいるのか、
それとも取り残されているのか。

自己の停滞感を見透かされているような感情を覚えました。

監督の年齢的な若さが話題先行する今作、
とはいえ若者向けの映画じゃない。

どの「世代」にも刺さる意欲作だったと思います!

【評価・つけるとすれば】
4.0です。

ちなみに
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2025年11月09日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年62本目】映画「七人の侍・4K」観ました。

【解説・あらすじ】

戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描いた作品。
黒澤明監督による日本映画の傑作。
麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。
百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。
百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。
やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる。

監督は黒澤明。キャストに三船敏郎、志村喬など。

【感想】
一生で一番短い「3時間」!これぞエンターテインメント!!

まず脚本。
圧倒的に面白い!!
農民を取り巻く状況からの浪人集め、
浪人それぞれのエピソード、
綿密な作戦会議、
一気呵成の決戦まで、
ムダのない、それでいて不足が一切ない台詞回し。
その上一言一言がケレン味がない、洒落ている。
流石、世界の黒澤、抜群すぎるストーリーテリングです。

そして演出演技。
これもまた圧巻。
いったい何台のカメラを使ったのか?
一つ一つのシーンのつなぎがシームレス。
まるでライブ映像のような迫力。
ただでさえ画角が完璧なのに、、。
執念の画作りは圧巻です。
俳優陣も素晴らしい、いやすさまじい。。
人の形を借りて人を演じる、とはいうものの、全員役に入り込んでいて。
まさに映画の中で生きている。
村人のひとりひとりの所作まで抜かりなく、
さらには完璧なボディメイキングまで仕上げてみせる。
現代映画では当たり前の光景ではありますが、
これを1950年代、いまから70年以上前にやってのける技術はもはや魔術の領域。
現場に思いはせると恐ろしささえ感じます。

さて。
この映画を観て感じるのはやっぱり、
「映画って何だろう」、特に尺についてでした。

僕自身娯楽映画からアート作品までまあまあ幅広く鑑賞しますが、
どうしたって面白い、性に合わないは出てきます。
翻ってみてその「体感時間」は物理に合わないこともしばしば。
超短い4時間も、永遠のような30分も存在するし、なんだったら当たり前に思っていました。

それでもこのように研ぎ澄まされた作品にふれると、

やっぱり面白いものは短いな、
もっと観ていたかったな、

と感じます。

これは監督をはじめとした制作スタッフ全員が、
観客がいる、観客がいて初めて「仕事」ができるということから目をそらさず、
その一点をのみ目的にこだわりを磨ききったから、
独りよがりを完全に廃しきったからこその結果。

翻って自分の「仕事」、その向かう先のこだわりはどうなっているのだろうと考えざる得ない作品でもありました。
とにもかくにも必見の一作だったと思います。

【評価・つけるとすれば】
4.7です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2025年11月06日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年61本目】映画「ワン・バトル・アフター・アナザー」観ました。

【解説・あらすじ】

元革命家のボブ(レオナルド・ディカプリオ)は、最愛の娘・ウィラ(チェイス・インフィニティ)と共に平凡な日々を送っていた。
しかしある日突然ウィラが何者かにさらわれたことで彼の生活は一変する。
ボブを執拗に追い詰める軍人のロックジョー(ショーン・ペン)や、
次々と彼に襲いかかる刺客たちと死闘を繰り広げる中で、
ボブの心に革命家時代の闘争心がよみがえる。

何者かに一人娘をさらわれた元革命家の男性が戦いに身を投じる姿を描くアクション。
かつて革命家だった男性の一人娘が誘拐され、彼女を助けるために父親が奮闘する。
監督などを務めるのはポール・トーマス・アンダーソン。
レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペンのほか、ベニチオ・デル・トロ、レジーナ・ホールらがキャストに名を連ねる。

【感想】
極上のストーリーテリング、最上の演技合戦!これこそが「戦う」映画!

まず脚本、ストーリー。
アクションシーンの中にコミカルさまで感じる台詞回し。
それでも移民排斥や異人種差別と言った強烈な現代性をもったテーマを見事に織り込んでしまう。
さらには家族愛や社会的分断孤立といった要素を見事に当てはめていく。
小さな布を縫い合わせ大きなパッチワークを作り上げる手腕は流石すぎます。

さらに演出演技。
戦闘シーン、カーチェイス、緊迫感とコメディタッチ、ほっこり家族愛とべっとりエロティック、、。
てんこ盛り、相反するような要素を見事に演出に落とし込み、カメラの中に収めてしまう。。
さらには脚本の骨格を最後の最後までだれさせない筋の通し方。
「頭の中」を言語化することだけでも十分難儀なのに、さらにここまで映像化。
率直に言って戦慄です。。・

俳優陣も超熱演!
ディカプリオさん、ショーンペンさん、デルトロさん、
三人もオスカー俳優を使っているのにもかかわらず、
さらに全員振り切った演技をしているのに「渋滞感」は全くなし。
むしろ見事なハーモニー。
さらに娘役チェイス・インフィニティさんの超新星ぶり!
三人を向こうに回して喰うほどの演技力。
末恐ろしさに震えました。

さて。
映画鑑賞後どうしても感じてしまったのはそのメインテーマである人間の「差別意識」。
僕自身意識をし、なるべくフラットに、、とは思っているけれど、完璧かと言われれば多分そうじゃない。
小さな意識の積み重ねが思想を育み、行動になり、大きな力を持つようになって、社会を蝕む。
わかってはいるんですが内心をコントロールするのはどうにも難しく、
さらには今作のように「戦う」のはもっと難しい。

ある人のコトバではありますが、

「差別は心ではなく行動で評価しよう」

これにつきるのかなと感じました。

十二分に記憶に残る「映画体験」だったと感じています。

【評価・つけるとすれば】
4.2です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2025年10月31日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2025年60本目】映画「秒速5センチメートル」(実写版)観ました。

【解説・あらすじ】

1991年春。
遠野貴樹(上田悠斗)と篠原明里(白山乃愛)は東京の小学校で出会い、心の距離を近づけていくが、明里が引っ越してしまう。
文通を続ける二人は、中学1年の冬に栃木・岩舟で再会し、2009年3月26日に同じ場所で会う約束をする。
2008年、東京で働く貴樹(松村北斗)は孤独な日々を送っていた。
一方の明里もかつての思い出を胸に静かに暮らしていた。

新海誠監督のアニメを、松村北斗主演で実写化したヒューマンドラマ。
小学校を卒業後に離ればなれになった少年と少女が、中学1年の冬に再会し、18年後に同じ場所で会う約束を交わす。
主人公に思いを寄せる女性を森七菜が演じ、青木柚や木竜麻生、宮崎あおい、吉岡秀隆などが出演。
監督を奥山由之が務める。

【感想】
アニメを見た方も、そうじゃない方も。
これぞ完全版「秒速5センチメートル」!

まずストーリー。
なんせあの「秒速」です。
すでに伝説的なアニメーションが原作なんです。
あの濃密さをどこまで「落とさずに」実写化できるのか、、、。
心配しかない、不安しかないのが正直な所だったのですが、これは全くの杞憂。
台詞の一つ一つの粒立ち、精密さ。
原作のおおよそ倍の尺を見事に乗り越えるストーリーテリング。
あえて時系列まで改変し、繊細な琴線を紡いでいく構成。
きっと大きすぎるプレッシャーの中での脚本作成。
見事な挑戦は素晴らしい結果をもたらしていると感じました。

そして演出、演技。

まずなんと言っても子役ふたり!
いったいどこから見つけてきたのか!!
「純粋」というコトバを人の形に写し撮ればこのふたりになる。
台詞が、仕草が、視線が、すべてが愛おしい。
まずこれだけでも必見。

さらに
青春期を演じた青木柚さんの孤独な佇まい、
ほんの一秒のシーンで恋の切なさ、そのすべてを演じきって見せた森七菜さん。
全力以上で抑えた演技を乗り越えて見せたふたりには素直に尊敬の念を覚えました。

もちろん全編の主役、松村北斗さん、高畑充希さんも素晴らしい。
幼少期、青年期を引き継ぎながらの抑えた演技は相当な難易度。
役を引き受ける恐怖、を見事に乗り越え、アニメーションの模倣にならない確かな存在感。
「リスペクト」を見事に昇華した、素晴らしいチャレンジ。
松村北斗さんの静かな情熱に何やら嫉妬のようなものすらかんじました。

演出にも触れます。
作画の美しさはこの映画を撮るならば必須。
しかも街も自然も、昔も今もを撮りきるのは至難の技。
これもまたよくぞ挑戦し、乗り越えてみせる。
オマージュにとどまらない、その先の表現にたどり着いてみせる。
伝説的劇伴、「one more time,one more chance」のあの使い方も含め、
これが「秒速」なんだと魅せてくれた確かな説得力。
アニメ版を忘れる瞬間、確かにありました。

さて。
思い出、さらには初恋を取り扱うのはとても難しく。
初期衝動とでも言えば良いのか、
初めてづくしのキラキラした日々と純粋な思い。

忘れるのが正解なのか、
適切な卒業方法があるのか、
いや、心の中にいつまでもしまっておくべきなのか。

現実の生活の中で

無理目に昔話を避け、
遠くを見つめることから逃げ、
オプビートな日々を良しとしてしまう。

何か違うと感じる自分が映画を見終わった中に確かにいたように思います。

秒速5センチメートル。
桜の花びらが落ちる速度。

センチメンタルの一言では収まらないコトバ。

大切にしたいと思いました。

【評価・つけるとすれば】
4.4です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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by alcyon | 映画観た

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